英語が話せないと海外旅行は大変?耳が聞こえない旅人たちが工夫していること

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はじめて海外旅行へ行くときは「英語が話せないから不安」「ちゃんとコミニュニケーション取れるかな」って思ったりしますよね。
 
英語を勉強するところからスタートすると時間がかかったり、どこまで学ぶかという目安もあいまいだったり奥深い文法の勉強には終わりが見えなかったりします。
 
わたしが海外を旅した話になると、必ず聞かれるのが「英語話せるの?」「言葉のやり取りはどうしてたの?」
 
特にわたしは生まれつき耳が聞こえないので、なおさら気になるようです。
 
コミュニケーション障害とも言われる聴覚障害。
 
それを超えて、楽しんでいる旅人たちはわたしの周りに沢山います。
 

 
 
 
ろう者は英語を聞き取れる?
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難聴者ろう者(聾者)という言葉を聞いたことがあると思います。
 
両耳の聴力が100dB以上であり、最重度の聴覚障害のことをろう(聾)と呼び、わたしはろう者(聾者)に当てはまります。
 
健聴者の聴力は0〜25dBと言われていて、100dBは電車が通り過ぎるガード下の騒音がようやく聞き取れる程度。
 
聴覚障害は個人差が大きく様々な要因があるため一概には言えないのですが、主に伝音性と感音性のふたつに大きく分かれ、わたしは感音性です。
 
補聴器で音を大きくすれば聞き取れる可能性もある伝音性と異なって、感音性は「音がゆがんで聞こえる」といったひとつの特徴があります。そのため、わたしは補聴器をつけていても音の情報より相手の口の動きをメインに読み取って言葉を理解しています。
 
日本語でも口の動きを読むのに集中したりエネルギーを使うので、英語や他の言語となると困難になってしまいます。
 
そして、自分の正確な声もわからないため発音さえも難しいです。
 

 
 
 
南米を縦断したろう者
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去年の春に知った、バックパッカーとして南米を縦断をした松本紀彦さんという方。
 
松本さんのことは、たまたま東京に滞在していたときに友達から「耳が聞こえない旅人のドキュメンタリー映画が渋谷でやっているよ」って勧められたのがきっかけ。
 

 
 
 
ちょうど上映最終日にチケットが取れたので、渋谷の映画館へわたしは駆けつけました。
 
耳が聞こえない以外で最大の彼の特徴は青い目と琥珀色のオッドアイ。
 
神秘的で綺麗な目だけじゃなく、強い意志と行動力にも惹きつけられました。
 
松本さんは、これまでバックパッカーとして6年間で約70カ国を放浪してきたそうです。
 
南米一万キロを縦断したドキュメンタリー映画
聾者のボクの南米見聞録
 
スペイン手話をはじめとした複数言語の手話を使いこなし、アマゾンのジャングルにいるろう者に会いに行ったり、現地のろう者たちと交流を楽しみながら旅をしていきます。(手話は各国によって異なります)
 
筆談してバスを予約したり、道端で強盗にあってしまい現地の警察に相手にされなくても諦めないバイタリティ。
 
期間限定の上映だったのですが、とても勇気をもらえたのでぜひDVD化して欲しい映画です。
 

[http://notas-de-viaje.club]
 
 
 
文字を大きくするBigアプリ
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わたしの周りのろう者の中では、アメリカ留学を経て翻訳の仕事についたり、英語の小説を難なく読めたりする友人たちがいます。
 
声でのやり取りができなくても、英文で筆談ができるとコミュニケーションは豊かになるでしょう。
 
ただ英文はすぐに上達するものではないし時間がかかってしまいます。
 
かくいうわたしも勉強中で、英語は正直中学生レベル。
 
翻訳アプリは経験上、文法がめちゃくちゃになり伝わらないことも多かったので、簡単な英語を使い自分で書くようになりました。
 
海外生活をしていたろう者の友達から教えて貰ったのが、iPhoneに対応しているMake It Bigというアプリ
 

 
 
iPhoneの方は、こちらからダウンロードできます。
 
Make It Big

 
 
スマホのメモ帳機能だと、文字のサイズが小さかったりしますよね。BIGアプリは文字サイズを画面いっぱいにして入力することができます。
 
(※I’m Deaf=私は耳が聞こえないです)

 

 
 
 
わたしがコーヒーや食べ物を注文するとき、何かを伝えたいとき。
 
このアプリで文字を打ち込んで画面を見せると一瞬でOK!ってすぐに伝わるので助かっています。
 
発音に自信のない聴者の方にも使える方法だと思います。
 

 

 
 
 
ひとりでパリ・モンマントルのお菓子屋さんへ寄ったとき「クッキーの試食どうですか」って話しかけられました。
 
補聴器を見せて耳が聞こえないってジェスチャーをしたら一瞬驚いた表情をしたけれど、BIGアプリで文字を打ち込んだら、すぐに対応してくれました。
 
店員さんが昔、東京に住んでいたことがあること、わたしの住んでいる札幌の話をしたり、アプリの文字上の画面だけじゃなく、表情で心情を伝えるように工夫したり良い思い出になっています。
 
帰り際に、あなたはとても楽しい人だねって言ってくれたのがとてもうれしかったです。
 

 
 
 
もちろん、日本でもタクシーを利用するときなどBIGアプリは大活躍。
 
夜道や照明が暗い場所だと、口の動きが見えにくくなるのでBIGアプリがあると、友達との会話もスムーズに進みます。
 

 
 
 
勉強不足で伝えたいことが英文に変換できないときは、最終手段は「紙に絵を描いて伝える」
 
これは聴者で旅をしてきた友達が実践していたと聞いて、困ったときの最終カードとして真似させてもらう予定です。
 
 
もちろん、多くの英文も書けるようになった方が幅は広がるので勉強と並行しながら旅を続けていきたいです。
 
あくまで、そのときの自分ができるコミュニケーション手段で楽しむことができれば良いと思うのです。
 
 
 
気持ちが通い合う喜び
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「身振り手振りでもなんとかなる」これはよく聞く話ですよね。
 
ある日本人の旅人とこんな会話をしました。
 
英語は全く話せないし言葉も全然通じないけれど「ふと気持ちで通じ合う瞬間があるよね」って。
 
この話をした聴者の彼とは「言葉も手段のひとつだけど、心で感じられる方がよりうれしい」っていう結論にたどり着きました。
 
それは障害の有無に関係なく共通していることだと、わたしは思います。
 
この世には言葉で表現することがむずかしいものも沢山ある。
 
 
わたしが愛犬家ということもあるのですが、人間同士だけではなく、言葉が話せない犬とのコミュニケーションにおいてもそれは強く感じます。
 
サハラ沙漠で出会ったある犬は、大歓迎し部屋まで案内してくれたり、滞在中ずっと寄り添ってくれたり、また会いたいと思う心に残る犬でした。
 

 
 
 
どうやったらスムーズにコミニュケーションが取れるのか、そのためにはなるべく沢山の場所へ行って、沢山の人達と出会うようにしています。
 
ある人に「コミュニケーションを諦めない理由は?」って聞かれて長々と答えたけれど、結局わたしはシンプルに人が好きなんだと思う。
 
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  1. お久しぶりです(*^^*)

    私も生まれつき聴覚障害で感音性難聴です。
    音だけがうるさく、何を話してるのか全く聞き取れないのも同じです。そして愛犬家であるのも同じなので嬉しくなってコメントしてしまいました( -`Д´-;A)ダックス2頭飼って
    たのですが、去年の夏に1頭はお空へ旅立って行きました⭐

    聴覚障害を持ちながらの1人旅行は本当に尊敬します。私は病院など1人で対応出来ない場合が多く家族に付き添って貰うときもあります(^_^;)
    なのでブログを読む度にパワーや勇気を貰い、勝手に応援をさせていただいてます笑(*^^*)

    1. さお姉 様

      さお姉さん、お久しぶりですね!
      久しぶりにコメントくださって嬉しいです♪

      同じく感音性難聴だったのですね!
      わたしも音の情報がわからなく、マスクや口の動きが見えないと全く理解出来なくなってしまいます。

      実は、わたしの愛犬も1匹去年の年末に旅立ったばかりで、現在は2匹のコーギー親子と過ごしています。ワンちゃんは、日常の幸せをたくさん教えてくれるかけがえのない存在ですよね☆

      わたしもはじめての場所やお店など最初はドキドキして、いまだに毎回とても緊張してしまいます。それを乗り越えた上の大きな喜びは、私たちだからこそより感じられることですよね♪

      平 真悠子

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