性を読むvol2-性のタブーのない日本(性をうっかり語ると笑っちゃう)-

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性について読む-ブックマークページはこちらから。630b76a74e427fd821f25e5bc121ec3f

206cc30b68293fbff861253c904692a6630b76a74e427fd821f25e5bc121ec3f性のタブーのない日本

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前回は皆さんの概念があまりにも流動的で曖昧なものであるという記事を書きました。今回からは実践的に日本の昔の性についての考え方を見てみましょう。今回の「性」とはつまり「行為」としての「性」です。本の内容は本を読んでみてほしいのでたくさんのことは書きませんが、
皆さんは古代の日本にどういったイメージを持っているでしょうか。そして現代の日本で性はどういったものとして考えられているのかを考えたことがあるでしょうか。今の時代からでは想像がしにくいほど、日本は性に対してタブーのない国でした。記事の本題に行く前にこの本の目次を見てみましょう。
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橋本治氏著
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【目次】
タブーはないが、モラルはある
Introduction-現代の日本に性表現のタブーはあるのか?
「性表現の自由」をうっかり語ると笑っちゃう/「性表現の規制」の中の自己規制/
エロスの経済事情/成人映画と一般映画の違い/思春期的な問題/
「芸術か、猥褻か」という下らない論争/逆にその方が煩わしい/
「猥褻でなぜ悪い! 」という問題ではない630b76a74e427fd821f25e5bc121ec3f

第一章 それは「生理的なこと」だからしょうがない
世界は具体的にはじまる/「子供を作る行為」の始まり/「まぐわいしない?」とナンパする/
アメノウズメの見せるもの/それをいやがる和泉式部/清少納言の場合/女であることの証明/
日本のオッパイ文化/オッパイを描く歌麿の謎/英泉の描く腋毛のある女/晴と褻/
自分の身体で世界を把握する/ウンコだらけの平安京630b76a74e427fd821f25e5bc121ec3f

第二章 「FUCK」という語のない文化
性的タブーとはどんなことか/神様は「まだ早い」と言う/古代日本の性的タブー/
タブーはないがモラルはある/率直だが卑語はない/『万葉集』の恋の歌/
逢ひ見ての後の心に比ぶれば/強姦する光源氏/強姦と和姦の間の微妙な一線/
顔を見せるか見せないか/いいのか悪いのか分からない平安時代/「夜」という時間の持つ意味/
「顔を見せろ」は強姦と同じ/自分の肉体を自分で把握しない/丸出しの肉体表現630b76a74e427fd821f25e5bc121ec3f

第三章 男の時代
少女マンガ的な『源氏物語』/肉体関係以外に他人と関係を結ぶ方法はない/
女を介在させる同性愛/男に意味のない時代/藤原頼通の不思議/藤原頼通のストレス/
かなりマッチョな少年愛/性的主導権と人事権/武士の時代/恋の至極は忍恋/
『葉隠』の武士道原理主義/セックスさえもセレモニー/「遊女」とはなんだ/
男の本音はまた違う/和歌の詠めない男達/女から男へ/和歌的日本語の限界/
下品を志向する文学/近松門左衛門と女のフンドシ
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なかなかの気になる文脈ですね。今回は少しかいつまんだ話を書いてみようと思います。
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“日本にはない性の言葉たち”

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まず、日本には「セックスする」という動詞が存在しません。言い換えようとしても「する」とか「やった」とか「なにを?」という抽象的な言葉です。そして日本には「FUCK」とう言葉もありません。ではあえて言うならばどの言葉かというと、「まぐあう」という言葉。「まぐあう」とは「見る」といった意味。昔の人は「見る」だけで「する」になっちゃうということらしいのです。(なぜと思った方は是非この本を読んでください)つまり、日本の性の考え方はセックスそのものを重点と置くような価値観はなく、もっと自然な流れで=「する」感覚だったのだそうです。
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“性のタブーがある西洋文化”

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では逆に、昔の西洋の性についての考え方は180度違い、性的=タブーといった概念が強いです。性のタブーは元をたどると聖書から始まり、性=子供を授かる為の行為という考えが強いために、タブーという考えかたになっています。例えば ソロプレイ をしてしまったオナンという聖書の人物は、ソロプレイをしたがゆえに、子を授かるためのモノなのに無駄な行為をした!ということで罪としてみなされてしまいました。これが後の「オナニー」という言い方になったのは何ともブラックジョークな話です。逆にタブーのない日本ではあったが何があったのかというと「モラル」というものでした。(近親相姦など)性行為事態にタブー(罪)という考え方はないのです。
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“昔の日本はほぼエロで出来ている”

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本の6割近くは源氏物語や万葉集などといった教科書で学べる文学を参考にして語られています。どういうことかというと、日本の文学の大半はエロいお話で作られている、ということです。そして日本には春画というものがあり、それは現代でいう男性がベットの下に隠して置くような後ろめたいものではなく、笑いであり、パロディーであり、男女共に楽しんで読めるものだったそうな。エロは男だけのものではなく、男女楽しめる文学が日本に存在していたのです。作者が「だってそれは生理的なことだし」というように、卑猥なことではなく、それはそれは純粋に貪欲に性というものを愛していて、娯楽のように楽しんでいたのです。

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“セックスは美しい?”

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近代における、「性表現の自由」について語られる場で、「これのどこが卑猥なんだ!人の裸は(あるいは行為描写は)美しいものだ!アートだ!」ということを言う人がいますが、日本の歴史から見ちゃうと、本の目次にもあるように、「性表現の自由」をうっかり語ると笑っちゃう”ものでもあるのです。何故かというと性を”美しいもの、芸術的なもの”としてみる人の考え方は、西洋的な考え方が強いというのが答えです。先ほども書いたように、西洋の性のあり方はとても敬意あるもので、ウェイトが重く、絵画を見ても、”美しく”描くことが多いです。しかし昔の日本の性のあり方から見てみれば、性は非常に“生理的なもの”で、時には笑いとして使ってしまう程、美しいもクソもないのです。この例は次回の記事でも使おうと思っているのですが、LAブランドのECKHAUSELATTA SS17 LOOK はまさにセクシャルを美しいものとして表現した斬新なLOOKではありますが、日本の歴史上から見るならば、たいした話じゃないよねーみたいな言い方もできちゃうわけです。(モザイクの話はまた後で)そして、この本もまた、文章をとても砕けた感じにわざとしています。その理由が真面目な話ではないから、ということがこのお本を読むことでわかるでしょう。
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“いつから性はいけなくなったか”

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作者がいうように、昔の日本にとって「性は生理的なもの」という考え方だったのに、なにがきっかけで、性に対する禁欲的で、タブーな考え方が生まれたかというと、西洋の文化を受け入れ始めようとした頃の動きが原因の一つと考えられます。今まで良いも悪いもなかったものが、悪いとされるところからという事になりますね。法のひとつに、性の表現を規制する憲法175条というものがあります。これは性表現に対して「わいせつ」という言葉が現れ、「わいせつ」が罪になるところから始まります。それが一般的な性の考え方(社会通念)を少しずつ変えていったのではないかと思います。今回は橋本治氏の本をメインに記事を書いてみましたが、日本の性に関してより読んでみたい方は「本当はエロかった昔の日本-大塚ひかり著」もおすすめです。
次回は性についてブックマークページに入れていなかった項目を一つ増やすことにしました。「自主規制とモザイク」です。表現、わいせつ、法律、自主規制ネットの誕生、これが今後社会通念(一般常識)を変える一つでもあり、その結果何が生まれたかというのもとても面白い部分でもあるので是非是非語らせてください^^
他の性についての記事がきになる方は、是非『性について読む-ブックマークページ』をみてください!
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※書籍を参考にした記事になります。正確な内容ではないとある文面がありましたらお知らせただけると助かります。

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Steph Tsimbourlas (visual artist)—http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=8398

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