中国の写真家 レン・ハンの死。あなたは悲しむだけですか? #任航 #RenHang
Posted onレン・ハンの死について
中国の写真家レン・ハン。ナイロニスタなら知らない人はいないと思います。彼の作品ややってきたこと、されてきたこと については、この動画を見れば大体わかります。
レン・ハンの死について記事を書くかどうかは迷いました。あまりにもこの死がブーム過ぎて、そう捉えられることに少し抵抗があったからです。でもあまりにも この ”死” を”死”として ”悲しんでいる” 人が多いので、書くべきかなぁとも思いました。確かに彼の作品は単純に美しいとかセンスが好きとか、そういった部分で惚れ込む人もいると思います。しかしながら彼が特に賞賛されたり、好きだと言う人の理由の多くは、その人の心のどこかにある
という社会との反発心にフィットしたからだと思っています。そういう疑問は性の表現以外にも、あらゆるところで感じる疑問です。性をタブーとする中国で生まれた彼は、そういったメッセージの中心にいる人で、メッセージを社会に届けられる、或いは表現することができる人物であった。それだけでもあるのです。だからこそ、彼に撮られたい または、彼にしか撮られたくない、という被写体がいたことも事実です。これを踏まえて、彼の死を悲しんでいる人たちは、どの部分に悲しんでいるのでしょうか?
「彼が死んでしまったこと」を悲しんでいるのでしょうか?それとも「そうした自分の中にある共鳴を世界に発信できる人を失ったこと」を悲しんでいるのでしょうか?
報道の多くは”自殺”であり、一部ではうつ病の悪化によるものと書かれています。うつ病の悪化であれば”彼の死”は悲しむだけでもまだよいのかもしれません。彼の死において、私がどうも引っかかるのは29という数字です。(私は彼の誕生日をずっと探してはいるのですが、なかなかみつからずできれば教えてほしいのですが。)
世の中には”メリーバットエンド”という言葉があります。一見第三者がみたら悪く思うような結末でも、解釈によっては良い終わり方でもあるという考え方です。例でいうとフランダースの犬とかがよく言われます。”29″、この数字には大きな意味があります。(30という解釈もあります)40で死ぬのと50で死ぬのと、また違った意味があります。社会のズレや違和感は若者が大人に向けて感じる部分でもあります。あくまでもこの話は”年齢による先入観”によるものですが、彼の作品を見る限り、この先入観に拘っているのではないかと私は思っています。彼の作品の被写体の多くは”若者”であって、Motherとして撮り下ろした母親の写真も、若者からみたMotherであったと思います。
彼が自殺した理由が、
“大人”たちの抑圧に耐え切れずなのか
単純に鬱が原因だけだったのか
若さの限界の死だったのか
それとも、若さを象徴するために死んだのか
若者のメッセージを守るために死んだのか
鬱で死んだにせよ、意味をもって死んだにせよ、若くして終わった彼の死は、ある意味 幸福で誇りでもあるのかなと思っただけです。
“どうしてそれがいけないことなのか”
”どうしてこれが良いとされて、これが悪いとされるのか”
彼のメッセージに共感するのであれば、“死は、どうして悲しまなくてはならないのか” / 彼にR.I.P -Rest In Peace(安らかに眠れ)言うのであれば、“死を、死として悼むには早すぎるのではないのか”
死を鼓舞するわけではないですが死という先入観を一度疑問にもってみてもいいのかもしれません。(写真引用:RenHang公式内)
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