性を読むvol.1- まずは貴方の概念を壊します-
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「性」を知るために。
メニューページでも述べた通り、性を学ぶために、私たちはいかにして 今持っている 常識や普通だと考えている物事が、その場所、その時代の、こびりついた固定概念であるかということを考える必要があります。学問的なところなので、うまく説明できるかはちょっと自信がないのですが、そして私観的な考えもあるので一概ではないですが、こう言った考え方もあるという見方でみてください。
「普通」は場所や時代によって変わる
私達が常識だと思っているものは、違う国に行ってみれば、まったく違う価値観を持っていたり、それは場所だけでなく時代が違うだけでも変わってきます。つまり、私たちが常識だ!と思っていても10年後には非常識だとみなされてしまう可能性もあります。(この例は「性のタブーのない日本」で紹介します)それぐらい常識というものは曖昧だし、流動的なものです。当たり前のことだけど、私達はそういうことを忘れがちで、常に自分のその曖昧な常識に従って生きています。そして、そこからずれている者をみると、変だと言ってしまったり、気味悪がったりしてしまいます。
私たちは人と関わっていく限り、社会という中で生きていくことになります。社会はその中で生きている人がお互い共存できるよう、ごくごく自然に決まりというものが出来ていきます。それがいつの間にか、常識や普通になり、その範疇に収まってる人は一般的人であり、そういった社会の規範から外れてしまうと、その人は逸脱者となります。
私にとっては「普通だ」と思っていても、他人には「普通じゃない」と感じること。性に関することだけでなく、日常のあらゆるところで、一般的な人たちとズレを感じたり、指摘されたりすることがあるでしょう。例えば、男性がスカートをはくこと。性別関わらず自分の中では素敵だと思って履いただけなのに、女だ、オカマだ、やめなさい、なんて言われてしまうなんて事があるかもしれません。その男性は思います。
「これの何が悪いのか。」
「普通じゃないから」
「常識的に考えて男が履くなんて変だから」
普通って何だ?常識って何だ?僕は変でもなんでもないし、普通だよ!!女性で言えば(一般的にいう)女性らしい格好をしないだけで女性らしくないといわれること。アヴァンギャルド精神の強い人はいつもそこに悩みを抱えている人が多いでしょう。
なぜ変だと言われたり、指摘されたりするか。答えは簡単です。何故なら、貴方はこの社会の逸脱者だからです。今その場所、その時代の 社会の規範(普通)から外れているから。それだけです。逸脱者だからと言ってがっかりする必要はありません。逸脱者=悪い人というわけでなく、時にその息苦しい普通や常識を変える人ともなりえます。そして逸脱者の貴方は、あまりにも流動的で曖昧な、この小さな社会の枠組みから外れているだけです。ちょっと違う国へ行けば、スカート穿いててもなんも言われない所もあるかもしれません。もしかしたら、3年後にはおしゃれ芸能人がスカートを穿いてブームが起きて男性がスカート穿いてても変な目では見られないかもしれません。なぜならその場所やその時代ではそれが普通で、貴方は逸脱者ではなくなっているからです。
貴方を逸脱者と呼ぶその社会の枠組みにいなければならなかったり、そこから出たくない、守りたいというならば、我慢してでも枠組み内に収まる事をお勧めします。でもどうしても無理だと思うなら、特にそこにいる必要もないと思うなら、反抗してみたり、逃げてしまってもいいわけです。
「わからないものはわからない。
それがその人にとって(普通)じゃないから。」
今度は貴方が一般的な人として逸脱者を見てみたとしましょう。。極端な逸脱者を例とします。いわゆる犯罪者という部分です。人を殺めた人やレイプした人がいたとします。
常識的に考えたら、貴方はその人に向けて殺人は悪だ!レイプは悪いものだ!と言うでしょう。だけど当事者に罪の意識がない場合、何故これが悪いのか?という疑問があるわけです。極端な話だし犯罪的な部分をファッションの良し悪し例のフィックスして考えるのは難しい事だと思いますが、当事者にとってそれくらいわからない事でもあるのです。
「悪いものは悪い!終わり!そんなこともわからないのか!」なんて言われても、はて?さて?「なんで悪いかなんてわからないよ」と思う事もあるわけです。
これを逆に逸脱者を貴方だと見てください。例えばお婆ちゃんに女らしくしなさい、変な目で見られるよと言われたとします。貴方は女らしくすることが全てじゃないし(大体女らしくってわからないし)、ワイルドな生き方が私らしいし、そういう考え方の方が正しいんだよ、と訴えても、お婆ちゃんにはそれがどうしてそう思うのかはわからないのです。お婆ちゃんにとってそれは普通の事じゃないから、当たり前といっちゃ当たり前の話です。
極端なモノを例としましたが、
私達とってこの人の方が正しくないと認知しているものでも、生き方が違うだけで、私達の方が正しくないと考える人もいるということです。両者ともこの世には存在します。そして、ある分野では貴方は逸脱者になっているかもしれないし、ある分野では貴方は一般者で、いつの間にか逸脱者を見下している部分があるかもしれません。
「共に社会で共存するために」
私が今注目している事があります。性描写に対する自主規制というもの。性表現に対する規制をかけられる可能性を防ぐべく自粛するといる方法です。性表現が盛んな同人誌の自主出版イベントで自主規制を推奨するイベント主催の文面に「社会と共存するために」とありました。この文面は逸脱者に対しての文章ですが、同時に一般的な人にも言えることだと思います。
「社会と共存するために」一般的な人と逸脱者、この二つは何が必要なんでしょう。
まず、今私が説いているように、貴方が持っている、普通や常識は曖昧で流動的だという事を教えてあげる必要があります。そしてそれがわかってから お互いがお互いの事を理解した方が少しでもなんか違うんじゃないでしょうか。一般的な人が逸脱者を悪い事だと押し込めば、そこにある救われるプラスが死んでしまう可能性もあるし、一部の人にとってとても息苦しい世界になってしまうかもしれません。かと言って逸脱者がなんでもやっていい世界になってしまっては、それはそれで起こる危険性もあります。私は逸脱者の味方をするわけではないですが、現状、悪は悪は、善は善という偏見が溢れすぎているとも思うし、善悪という考え方がいかに曖昧でわかりにくいなものかを知っている人が少ないような気もします。
なんだか難しい事だと思いますが、要は私達が持っている、一般的な常識や概念、普通といったことは、あまりにも流動的で曖昧だという知ってほしいという事です。私達が良いと思っている事でも、もしかしたらどこかの誰かにとってマイナスになってしまう事もあるし、両者を見極める必要があります。そういった客観的な判断や知識は、 性 を考えるために、そして様々な物事を考えるために大切になってくると思います。また、性とは少しずれて最近自ら死を選んだ中国の写真家、レン・ハンの死について、あまりにも死=悲しむべき者という考え方をしていることに対して書いた記事もあるので、そちらも読んでいただけると、この記事とリンクして読めて面白いかもしれません。http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=8529
アウトサイダーズ - ハワードSベッカー著
逸脱という考え方がよいなと思ったのは社会学という学問を見てみたからです。とは言ってもまだ本についてはいろいろ触れてないのですが。「アウトサイダー」ラベリング論とは、自分というものは、他者が自分をステレオタイプ的にどういう人かを決めつけてできている、ということが書いて有ります。つまりあなたを逸脱者だと決めつけるのは、ステレオタイプに沿った他者の目から決められている、ということです。それとは別に、他者が決めつけたあなたのステレオタイプの役割に、あなたはギャップを感じ、反抗するといった内容が書いてあります。ステレオタイプという曖昧な割に強力な力を持つ考え方は、プラス面もあればマイナス面もあるということです。ちょっと気になった人は是非、社会学を勉強してみても良いでしょう。逸脱について、またざっくりとした社会学については のWebページが最高かと思います。
https://www.socius.jp/?page_id=51 (アウトサイダー系の話はここhttps://www.socius.jp/?page_id=99)
https://kotobank.jp/word/逸脱行動-31498
さてさてこれから性について触れていくわけですが、次回は概念を覆す例として昔の日本の性事情を見ていきたいと思います。他の性についての記事がきになる方は、是非『性について読む-ブックマークページ』をみてください!
Steph Tsimbourlas (visual artist)—http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=8398
angelic milk(music artist)—http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=7929
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