性について読むVol.5-人間の性はなぜ奇妙に進化したのか-
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動物からみて人間のセックスはありえない?!
なぜ生き物たちが性交をするかというと、繁殖するからというのが答えでしょう。しかしながら人間の行う性交の多くは妊娠をむしろ拒絶し、避妊をしたり、ただただ楽しむためだけであったり、コミュニケーションの一つとして行われたり、排卵日とは関係ない日に行ったりします。おまけに社会の多くは一夫一婦という制度をとり、一生をかけて一人を愛すという、繁殖には効率の悪い制度があります。そして人は排卵日がメスのヒヒのようにお尻が赤くなるということはなく、容姿の部分から判断がしにくいといった特徴があります。人間も動物の一種にすぎませんが、犬や猫からみたら、繁殖の意味をなさない性交する人間たちは頭がおかしいと思うに違いないと著者はいいますセックスを考えるときにまず、確かに根本的な部分を忘れてはいけません。遺伝子を残すために行われている行為、そのために行われる行為であるはずなのに、人にとっての性交の意味はそれ以外のなにかが隠れていそうです。
子孫を残す為のオスとメスの役割
今日、女性権利や、平等などを訴える現状から、一つ残酷な事実を伝えるとしたら、子孫を残すにあたって男性と女性の性の戦略は必ずしも一致しないということ。昆虫のようにオスは命をメスに捧げたほうがメスの栄養状態が向上し、子孫を残す可能性が上がるかもしれませんし、他のメスにも生殖活動を行ったほうが自分の子孫を広く残す可能性が上がるかもしれません。メスの戦略ではオスを食べた方が栄養状態が向上し、確実に自分の子孫を残す可能性が高くなります。動物的に言えば、雄と雌という二極端が絶対であり、その2つの性の役割がはっきりしているといえます。タツノオトシゴは雄になり、オスの役割を果たし、メスになり、メスの役割を果たすのです。これと同様にヒトの生殖戦略にも男女で分かれ道に立たされる局面があります。男女平等問題も根っこのところでは我々が生物として分化してきた男女の性差があるのではないでしょうか。
おかしいのは人間なのかもしれない
今日、固定観念を払拭した様々な性に対しての自由な考え方やあり方を主張しやすくなってきた時代になっていると思います。しかし、だからこそ今一度、なぜセックスをするのかを考えると、
人間の性はとても奇妙であるという事を知っておいた方がいいのではないでしょうか。あなたが主張したい性のありかたについて、もっとよい答えがでてくると私は思います。形には見えない誰かを好きになる感情は、繁殖の為に遺伝子に組み込まれたものに過ぎないでしょうか。性に対してのフェアな関係を求める前に、まず、人も動物であるということを忘れてはいないでしょうか。本書はなぜ言う疑問に対し、答えを出してくれる本ではありません。しかしながら、セックスする根本的な役割に対して、原点に戻ることができ、様々な考えを生み出すきっかけとなると思います。
私情を挟みますと、「無意味なものほど美しい」というのが私の人生で一番に考えていきたいテーマです。ただし少し古い書物なので、少し考え方に偏りがありますのでご注意を。
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