ZINEってどうやって作るの?blogger mariaのZINEプロセスからつくり方を学ぶ! #ZINE
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HOW TO ZINE
2016.12.04 に私が主宰している TINY というイベントで、私のZINEを発売します。よくZINEってどうやって作ればいいの?という質問をされるので、今回は私が作ったZINEのプロセスをHOW TOがてら説明しちゃおうかと。ZINE自体はとても自由な媒体なので、作り方も人それぞれですが、ここはひとつ、一例として参考にしてみてくださいね^^
TINY ZINE info
2016/12/04 (sun) 12:00-18:00
東京都台東区下谷1-11-15 SOOO dramatic! 入場料有
コンセプト重視のZINE
私のZINEの作り方はコンセプト重視です。もちろん自分の好きなものをあつめたり、日ごろの絵や写真を集めるだけでもZINEになります。が、コンセプトを重視して作るのもとても面白いです。コンセプトを軸に作品を作るのはとても難しくて、制作中にコンセプトとは違う感情や案が出てきたりして、全然違うものになってしまうこともあります。しかしながらコンセプトを曲げずにやっていくと、メッセージ性が出たり、表現力があがったりするので、練習は必要かもしれませんがやって損はないですね。
テーマは”遊び”。
私が最初にZINEをつくるにあたってテーマに置いたのが、ずばり “あそび” 。前回のZINEがちょっと重々しかったので、今回は楽しいコンセプトでやってみたかったというのが始まりです。社会的なメッセージ性やステータスもなく、ただ率直に面白いとおもうことをやる、これもアートをやるうえで一番大切で忘れがちになってしまうことです。社会的なメッセージ性は誰もが簡単に題材として持つことが出来ますが、根本的な楽しさを忘れてしまっては、個性的なものをがなくなってしまう可能性が強いのです。せっかく良いセンスがあるのに、社会にセンスが殺されてしまっているのでは?かつてジョーカーが言ったように、why so serious?(何故そんなに深刻になるの?)という言葉はとても大事なことなのかもしれませんね。発想や直感的な感覚。ただ、今私の持っているセンスと楽しくやる(センスと付き合う)というのが、今回のポイントになるのかもしれません。
分解し再構築するという遊び
そして今回 「あそび」をテーマにして選んだ題材が「映画」。
映画の中身を分解し、自分ならではのフィルターをかけて再構築をすることにより、違うものができる という遊びです。オマージュともいうのでしょうけれど、映画をそのまま真似ても、ああこの映画ね、と言われるだけでは面白くないので、バラバラにして崩して、それを再構築して別のものにするということをしました。
分解し再構築する というのを もっと簡単に例えるとすると、A君が「ドラえもん」を題材に言葉を使って分解したとします。
この分解した言葉を「ドラえもん」という言葉で分解したことを知らないB君が再構築すると、「ドラえもん」にはならず、B君のセンスで解釈した丸くて青いロボットという違ったものになるというわけです。
これを一人で分解して再構築するというのはなかなか難しい作業ですが、私はもともと言葉の分解が好きなので、ここはZINEならではこそ、楽しくやらせて頂きました。



“エターナルサンシャイン”
選んだ映画はミシェルゴンドリー監督のエターナルサンシャイン。他にも候補がいろいろあって、”妹の恋人”や”フィフスエレメント”などなど、自分の好きな映画をやりたかったというのもあるんですけど、いろいろ考えた結果エターナルサンシャインになりました。
分解” analysis”
まずは映画を徹底的に分解!映画を見ながら気になる部分を文字に書き起こしたり、スクショしてまとめたり、時間軸や名言など、色々です。エターナルは細部にわたった仕掛けがたくさんあっていろいろな発見があって楽しいです。そうやって色々分解した結果が私のZINEのポイントになるわけです。ざっくりいうと3点にまとめることが出来ます。
まずは”色”。
ミシェルゴンドリー監督の特徴として色をつかった細工というものがあります。今と過去の記憶の話なので時間が曖昧になるのを回避するために、ヒロインのクラメンタインの髪の色を青→オレンジ→赤→緑と変えることによって時間軸を説明しています。
次に”記憶の混同”
エターナルは記憶の中の話。リアルに起こっていることと、主人公のジョエルの記憶の中の様子が描かれています。記憶を消す会社によって恋人であったクラメンタインとの記憶を消されるのですが、そのなかで、たくさんの記憶が錯綜します。その曖昧な記憶の中の表現がエターナルの特徴ともいえます
最後に”奇跡”
恋人との記憶の消された主人公ジョエルですが、彼は一つの奇跡を起こします。記憶を忘れたジョエルが消されたはずのクラメンタインの言葉(キーワード、祈り)を本能的に覚えていて、彼はモントークという場所で再び彼女に会うのです。これがこの映画の重要な結末です。私はこれをどのように表現したのでしょうか?
再構築”reconstruct”
このキーワードをもとに映画をZINEとして再構築するわけですが、大まかな3つのキーワードを主体としながら、映画のシーンもチャプターごとに特徴的で可愛いので、各シーンも要素要素キーワードにしつつ再構築。シーンごとにページをつくり、言葉だったり、シーンのキーワードを置いていきます。
色の表現その1
まず色の表現として、名シーンのページにはその色を使ってみる。パトリックベイビーボーイという言葉は、映画のキーとなる言葉ですので、その言葉を言った時のクラメンタインの髪の色に同化させてみたり(パスタを青くして、イニシャルパスタでキーワードを表現)
色の表現その2
クラメンタインの髪色で一番中軸に置かれているのがオレンジヘア(タンジェリン)をヘアだけ抜粋してウィッグを安く購入、良いタイミングで映画の舞台でもあるニューヨークにも行けたので、ウィッグをポケットにいれて街を歩きながらいい感じの場所でウィッグを撮影するといった変なことをしてました。
記憶の表現
そして記憶の混同の表現はアナログ的に紙に印刷して切ったり貼ったりして作ったコラージュや、ソフトで作ったグリッチ手法や、ブラウン管に映像を取り込んで、それを動画に撮って、また取り込んでわざと荒くしたりとかしてエフェクトを使った表現をしまいした。
大人と子供のシーン
エターナルはどこも特徴的ですが、子供の記憶と大人になった記憶が入り混じるシーンがあります。このシーンの表現として、モデルの子に子供(L’ENFANT)、大人(L’ADULT)というフランス語を顔に描き大人っぽさと子供っぽさを表現した写真を撮ったりしました。器用な作業は苦手なので、沙耶伽ちゃんにお願いしました。


一筋縄ではいかないZINE
そんなこんなで私のZINEが出来上がったわけですが、一筋縄でいかないのが私のZINE。まぁある意味いろんなことを押し詰めちゃうのが私の短所でもありますが、その辺は置いといて・・・^^;分解したキーワードでもある”奇跡”を起こすためにも、ZINE自体を記憶の中のシーンのみと限定しました。ZINE自体に意味を持たせるためです。
ZINEを読む前にこのZINEのプロローグを知らないといけません。ハワード教授の下で働いていたメアリーが会社を辞める際、その記憶は無くすべきではないと判断し、記憶を消した患者たちのカルテを患者たちのもとへ送ります。>あなたは記憶を消しています。大切な人との記憶を消したあなたのもとへ送りつけられたカルテ(ZINE)。今回のZINEは記憶の中身です。ここからは秘密のお話ですので私のインスタからヒントを得てください^^ このZINEのことは ハッシュタグ ##Each_prayer_accepted_and_each_wish_resigned. にまとめてあります。



音声記録という名のミュージックビデオ
そしてもうひとつ。映像というカタチでZINEを作ってみました。映画の中のカルテの中には元々記憶を消す前の本人の音声記録としてカセットテープがはいっているので、ミュージックビデオ=音声記録としています。(普通に作って見たかっただけなんですけど、こじつけでもあります笑)音楽ができないので、アーティストであるsaskiatokyoに頼んで、ターナルサンシャインを題材にオリジナルのミュージックビデオをお願いしました。ミュージックビデオの作り方はとても面白くて、一度saskiaが作った音楽にざっくりと合わせた私の映像をさらに噛み砕いてsaskiaが音楽を編曲していくという方法をとったのですが、最初に聞いた曲とは別のものになったのが驚きです。相変わらずカラーと記憶の混同をテーマにしてるので、面白く出来上がってるのでよかったら購入して聞いてください(ニヤリ)saskiatokyo sound croud>>https://soundcloud.com/saskiatokyo
thanks
最後に、
このZINEに協力してくれた人達を紹介しようと思います。
モデルを担当してくれた Riona ちゃん
スペースや、アシストをしてくれたRikoちゃん
フェイスペイントをしてくれた、沙耶伽ちゃん
アクセサリーをプレスしてくれた@a_ngstrom/Riko_Tanaka
衣装に協力してくれたRADDLONGEさん
音楽を作ってくれたsaskiaちゃん
良くわからないZINEの制作作りに協力してくれてありがとう!!ひとりですべてやるのもいいですが、良いものを持っている人にチカラを借りるのもいい方法ですね。自分のやりたいことを包み隠さずシェアできるのはZINEだからこそ。ZINEはそういったコミュニケーションの一つだと思います。
angelic milk(music artist)—http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=7929
1991downtown(fashion select shop)—http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=7862
GRAPE MAGAZINE(independent magazine)—http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=7734
EDITORIAL MAGAZINE(independent magazine)—http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=7527
RADDLOUNGE(fashion select shop)—http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=6645
Ruru (feminist/photographer)––http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=6521
Erika(buyer)—http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=6654
Cyan.(dancer) — ttp://www.nylon.jp/blog/maria/?p=6955