自分のルーツを辿った里帰り。孫の代にも受け継がれる故郷 #北方領土 #国後島

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今月で終戦から72年が経った。
 
先月釧路へ里帰り中に、祖母の弟の家を訪ねた時のことを。
 
私の母方の代は跡継ぎがいなく私達の代で終わってしまう。この歳になるまで祖母がどこで生まれ育ったのか知らないまま。
 
祖母が他界した今、それを聞けるのは祖母の弟だけ。今のうちに自分のルーツを知っておこうと思った。
 
 
家を訪ねたとき祖母の弟はテレビの画面を見ていた。その画面の向こうには国後島の映像。その姿にずっと故郷を想っているのが強い程伝わってくる。
 
日本が敗戦し、島を引き揚げてきた時の気持ち。60年間帰れなかったその想い。
 

 
 
 
北方領土の1つである国後島。
 
私の祖母は国後島で生まれ育った。国後島には祖母の母の骨がまだ眠っている。
 
私は自分のルーツが北方領土にあるということをこれまで知らなかった。
 
毎年行われている墓参りの訪問団副団長も務めたり、新聞の記事にもなっていた祖母の弟。これまでニュースや新聞で北方領土問題は目にはしていたけれど、実際は無関心だったことにとても反省させられた。
 
世界で起きている様々な問題。当事者ではない私達は通り過ぎてしまいがち。「関心を持つこと」の大切さを改めて思い知らされる。
 

 
 
 
 
複雑な問題が絡み合っている北方領土。
 
北方領土問題については私自身、知識不足で十分に勉強した上で改めて発言していきたいと思う。
 
当事者ではないそこに生まれ育ったロシア人の子供たちも住んでいる。もちろん両国民の友好を深めようという人たちもいて祖母の弟もロシア人に対して個人的には恨みといった気持ちはないと話していた。
 
ただ祖母たちが生まれ育った島を引き揚げてきたときの悲しさ、悔しさの記憶は失ってはいけないと思った。
 

 
 
 
 
終戦直後、国後島から引き揚げてきた後は樺太に送られた事を聞いた。後で調べたところ樺太では沢山の日本人が亡くなった悲しい歴史があったそう。
 
釧路に永住するまで各地を転々としながら幾度の多難を乗り越え、現在私が存在している一族を作り上げてくれた祖母への感謝でいっぱいになる。
 

 
 
 
 
国後島は現在までロシア連邦が実効支配している為、自由に帰ることが出来ない。
 
60年ぶりに国後島に帰れた話を聞いた時は、誰もが簡単に故郷に帰れるものではないというのが私の中で衝撃だった。
 
私が送っている毎日の日常の中での当たり前は、誰かにとっては当たり前ではないということ。それを再認識させられるきっかけにもなる。
 
 
祖母の弟が、国会に提出した手紙を見せて貰ったのでその内容の一部を。
 

前庭に植えてあった千島桜の発見を目標として現地に向かった。
<-省略->
 
アッ!これだあった!思わず息を呑む。小枝に数十輪散り残しの花をつけた千島桜が!駆け寄り抱きしめたい衝動に駆られた。
<-省略->
 
終戦より64年を経たいま、樹齢は100歳をゆうに超えているだろう。別れて61年目、私の帰りを待って咲き続け、老いながらいてくれたのかと思い胸を突かれる感動で思わず目頭が熱くなった。

 
 
この写真の奥にあるのがその千島桜。生家の周りに建てられていた民家は消え、当時の面影もなくなってしまった草原。
 
住んでいた家の前庭に植えてあった千鳥桜はずっと咲き続けていたそう。
 
そして千島桜は北方領土返還運動のシンボルの花にもなっている。きっと私は各地で千島桜を見かける度にこの話を思い出すことになると思う。
 

 

 
 
 
 
見せてくれた国後島のアルバムを眺めていると、不思議な配色のヒグマが。
 
北海道にずっと住んでいながらも白いヒグマの存在を今回はじめて知った。アルビノではなく遺伝的なものだとか。
 

 
 
 
白いヒグマは国後島と択捉島の2つの島にしか生息していないそう。大人になってからも知らないことばかりだった。
 

[photo by http://skarafuto.livejournal.com/]
 
 
 
北方領土の元住民たちも高齢化が進み孫世代が多くなり故郷への思いも薄れていってしまっている。
 
微力ながらも私はこの話をずっと引き継いでいきたい。
 
私にはもう祖父はいない。
だけど、私にとって祖母の弟は祖父と変わらない存在でこうして話を聞けることがとても嬉しかった。
 
 
もし、自分のルーツを知らなかったら聞いてみよう。受け継がれた命の重み、祖父や祖母たちとの繋がりを強く感じ、人生をより大切に歩もうと思えるきっかけになれるはず。
 

 
 
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