私がマグリット”恋人たち”が好きな理由/横浜美術館で「全部みせます!シュールな作品 シュルレアリスムの美術と写真』でマグリットの絵が見れる!
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私がマグリット”恋人たち”が好きな理由
今回の記事はただただ私が好きなマグリットの”恋人たち”の絵について語りつくす記事です。いらんわそんな記事、とお思いでしょうが、ただの自己満足記事なので。しかしよりマグリットが好きな人が増えたらいいなぁと、自論も含めた記事になっております。
静寂と無音の、絵マグリット
私の部屋に飾ってあるはがきサイズのマグリット。ベットに横になると見える壁にメンズファッションブランドshu.のポスターの隣にさりげなく飾ってあります。夜、薄暗く月明かりだけで照らされ、無音の部屋で見るこの絵はなんとも言えないぐらい良かったり。やっぱ好きだわーと手に持ってるスマホでパシャり。インスタには178363712631回無意味にあげています(笑)
そもそもマグリットって?
ルネ・フランソワ・ギスラン・マグリット。ベルギーの画家であり、シュルレアリスム(超現実)の巨匠として撓れています。その独特な世界感は様々な今期にわたって様々なアーティストが影響を受けていたでしょう。奇才と知られているマグリットですが、彼自身はとても平凡な生涯でした。3LDKのごくごく普通の家に住み、幼馴染みの妻と生涯連れ添い、ポメラニアン犬を飼い、夜10時には就寝する生活。スーツにネクタイ姿で、よくマグリットの絵に描かれていたその服装で、一説には「平凡な小市民」を演じていたのではとも言われています。「自分らしさ」や「個性」から最も遠いシュルレアリストとも言われています。
超現実とは
マグリットの絵を楽しむコツは2015年の私の記事も書いてあるのでこちらをぜひ読んでみてください。シュルレアリスム(超現実)とは現実を超えた世界、つまり、現実とは無縁の絵(無意識の世界)を描く人たちのことを言います。多くは夢の中のようなもの。または、無意味な関係性のものを書き、謎めいた世界観を作ることが多いと思います。
ダリとマグリット
シュルレアリスムで有名なダリと比べてみましょう。反り返るほど曲げたヒゲで個性的なダリは
「天才になるには天才のふりをすればいい」という彼の言葉のように、彼自身は自らを奇才を演じました。彼の絵も、言って見れば奇才のパフォーマンスでしょう。言ってみればパフォーマンスのプロと言ってもいいほど。どことなく派手なイメージがあります。
一方マグリットは書く個体一つ一つは一般的なもの。ちょっとしたトリック(仕掛け)で人を魅了します。そして彼自身は「平凡な小市民」(を演じている?)。色味もどことなく寒色多めの暗い色です。
私から見ればどちらも人びとを魅了する絵画のマジシャン。しかし、この2つのパフォーマンスは陰と陽の真逆性があるように感じます。奇才(天才)を演じるダリと(平凡)を装うマグリット。
ダリは表現的に装飾的に、マグリットな感覚や精神的に人を謎の世界に誘うのです。
白いベールで覆われた”恋人たち”
さていよいよ本題。男の格好をした人物と女の格好をした人物。しかしこの二人の顔は白い布で覆われ、その顔がどういった表情をしているのかわかりません。そして二人はキスをしている。ただ、なぜかこの絵からはキスしている二人が幸せそうな感じがしません。どちらかというと読み取れるのは「不安」ではないでしょうか。何故、彼らは「男」と「女」で「恋人」であるのに、どうしてそんなにも 不安そうに、確かめるように、そうであってほしいと信じたいかのように、キスをしているのでしょうか。
「目に見えないものを私たちの視界から隠すことはできません」
マグリットは「見えている現実の裏側」に固執しています。多くはだまし絵作法を用意たものが多いですが、恋人たちはベールをかぶせることで、トリックを生み出すことに成功しました。
たとえ、あなたが好きになり、キスをする相手だとしても、本当の姿をあなたが目にすることは決してないのです。あなたの恋人の真の姿はベールの中に隠されており、あなたが感じることのできるのは唇の感触だけなのです。その唇の感触だって怪しいものです。本当は唇じゃなくてイモムシとかナマコかもしれません。
お互いの顔はベールで包まれていてその表情は読み取ることはできません。しかし私たちは、ベールをかぶされ現実が見えないことによって、目に見えないものが見えるようになります。「不安」と「疑い」と「迷い」と。二人は確信めいてキスしているのだろうか。本当に自分を愛しているんだろうか。本当に自分は愛しているんだろうか。知らないこの二人の、精神的(内面) =「見えている現実の裏側」が私たちには見えるようになるのです。これは陰の魔術師、マグリットのトリックです。
一説によるとマグリットが14歳の時に入水自殺した母の影響ではないのかと言われています。
母の遺体が川から引き上げられた際濡れたナイトガウンがまくり上がって顔を覆っていた光景に
大変のショックを受けていたのではないかと。
しかし、マグリットはなぜか母親の影響については否定しています。
もしそういう影響(ヒント)がマグリットにあったとしても、マグリットは否定すると思います。
なぜなら、この絵は「母親の影響だ」なんてことを書かれたら、マグリットの描きたい根拠とは無縁だからです。
考える意味などない
私たちはこの絵を見てひたすら考えます。この二人の考えていることは、この絵を真実とは。
愛とは?この絵の意味することとは?
そしてマグリットは言います。
「私の作品は、私が何かを隠しているのではなく、視覚的イメージを描いたものです。しかし、私の絵は謎を呼び起こし、「これは何を意味するのか」と考える。しかし、それは意味のないことなのです。なぜならば、誰にも意味などないからだし、知ることができないものなのです」
「感覚は嘘をつかない、脳が嘘をつく」とかどっかの科学者が言ってたり、はたまたどっかのマジシャンが言ってましたね。「考えるな、感じろ。」(笑)超現実、その手法こそ、意味のないものを意味のあるように見せるトリックです。私のモットーは意味のないもの美しい。このトリックはまさに。私を確信めいたものだから、きっと私はこの絵が好きなのではないかと、そう思っています。
横浜美術コレクション展『全部みせます!シュールな作品 シュルレアリスムの美術と写真』開催
ここまで読んでシュルレアリスムに興味もった!マグリットの絵が見たいと思った方に朗報!
横浜美術館でマグリット、ダリ、ミロといったシュルレアリスムの傑作達が集まる展示をするそうです!お物がしなく!
会 期 2017 年12 月9 日(土)-2018 年3 月4 日(日)
会 場 横浜美術館
休館日 木曜日(ただし、2018 年3 月1 日を除く)、
年末年始
(2017 年12 月28 日[木]~2018 年1 月4 日[木])
開館時間 10:00~18:00(入館は閉館の30 分前まで)
※2018 年3 月1 日(木)は16:00 まで
※2018 年3 月3 日(土)は20:30 まで
観覧料金 一般500(400)円、大学・高校生300(240)円、
中学生100(80)円、小学生以下無料
※( )内は有料20 名以上の団体料金(要事前予約)
※毎週土曜日は高校生以下無料(要生徒手帳、学生証)
※障がい者手帳をお持ちの方と介護の方1名は無料
※毎月第3 月曜日は横浜市在住の65 歳以上の方無料
(要「濱ともカード」提示)
※企画展ご観覧当日に限り、企画展の観覧券でコレクション展もご覧いただけます。
■ interview■
Steph Tsimbourlas (visual artist)—http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=8398
angelic milk(music artist)—http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=7929
1991downtown(fashion select shop)—http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=7862
GRAPE MAGAZINE(independent magazine)—http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=7734
EDITORIAL MAGAZINE(independent magazine)—http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=7527
RADDLOUNGE(fashion select shop)—http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=6645
Ruru (feminist/photographer)––http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=6521
Erika(buyer)—http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=6654
Cyan.(dancer) — ttp://www.nylon.jp/blog/maria/?p=6955