性が性らしくあるようにそして、現世への配慮をされた展示。 #ピエールセルネ&春画

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先日ピエールセルネ&春画の展示を見に行きました。今回展示をみて感じて欲しい点は、性が性らしく表現される、
そして現世への配慮が丁寧にデザインされているのを至る点で見れる点です。

 

SNSへの拡散(伝え方)

この展示のなかで唯一写真を撮っても良い場所は入り口の場所のみ。壁面に開けられた小さな穴から会場内を見ることができるが、そこから見える絵はピエールのものです。つまり写真を撮っても、性行為を描いた春画はSNSに拡散されることはありません。春画を写真に撮れる環境で写真を撮れて、拡散出来た場合、いろいろな意味で性をありのままには出来ないでしょう。性でこそフォトジェニックに情報空間(スマホ)から体感するのではなく、リアルな現実空間で体感する価値のあるモノだと思います。

 

パンフレットの切り取り方。

入り口付近に置かれたパンフレットは2種類あります。一つは展示自体の紹介で、もう一つは展示されている絵の説明です。注目して欲しいのが、前者のパンフレットの切り取られ方です。表紙となる部分は唯一今回の展示でトリミングなく掲載できる北斎の歌まくらの絵、そして中身にはトリミングされた春画。これがなんともいやらしくなくトリミングされているとがすてきな点です。春画のポイントとして見る者の視線の動きを狙った絵も多いです。トリミングされた箇所は、鏡に映った足の指先、ふんどしとおしりなど、部分的に春画を切り取って見えてくるところもあります。

 

注意書きからみるメッセージ

個人的に好きな部分は注意書きの部分。とある展示では、浮世絵以外にも春画が展示されることが計画されていて、そこでの注意書きは18歳未満はみれないとされています。見てはいけない、という表示書きではないこと、よのなかには見たくない人もいるわけで、性に対するあらゆる人への配慮が、春画という立ち位置であるからこそ、中が記一つでも性に対するメッセージ性が見ることができます。

シャネルからの丁寧なメッセージを体感したら、今度は春画の1点1点にも注目してみましょう。

 

 

作者による、こだわりをみよ

春画にはあらゆる名作を生み出した著名人がいます。今回展示されているのが鈴木春信、喜多川歌麿、鳥居清長、鳥文斎栄之、葛飾北斎。もちろん時代によって技法の特徴も変わってきますが、作者が目指している感性も比較できるわけです。個人的には鳥居清長の袖の巻が好き。セックスを楽しんでいる、そんな表情がすてき。ポイントとしては、絵と一緒にパンフレットに記載された絵の説明もみるとより春画がわかると思います。

 

作者が誘導するように、見るべき場所を見よ。

春画の面白さはは漫画のコマのような視線の誘導にもあります。見る、隠すといった技法、トリミングによる技法、背景に描かれたモノや服装。文字。顔。あなたがみてしまう全ての箇所は作者がそうなるようにしたトリックでもあるので、ためらわず見てください。

空間全体の豊かなハーモニーをみよ

今回はピエールセルネ氏のシルエットによる写真とともに展示されており、2つのコントラストが豊かなハーモニーを生んでいます。ピエール氏のモノトーンの表現そして作者ごとに壁面の色を変えている点、また春画の鮮やかな色彩。展示空間を移動するごとに、奏でる空間の広がりは是非一度訪問して感じて欲しい点です。

 

 

■ピエール セルネ & 春画
前期:2019年3月13日(水)~3月27日(水)
後期:2019年3月29日(金)~4月7日(日)
※3月28日(木)は展示替えのため休館
※入場無料
時間:12:00~19:30
会場:シャネル・ネクサス・ホール
住所:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4階
問い合わせ先:03-3779-4001
公式サイト

 


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