CULTURE
2025.08.15
“もしも”を想像するのが楽しい! 時空を描いた映画をふり返る

いつもは映画館で観る新作映画を取り上げていますが、今週は配信で観られるタイムリープ&タイムループ&タイムトラベルもの、マルチバース的なものを再度ピックアップしてみました。時間や時空が絡む映画はじっくり見直すと新しい発見があります。
『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』は、何度も同じ一週間が繰り返され、そこから抜け出すために社員たちの奮闘する姿が描かれます。コメディ感も満載! 一方、『東京リベンジャーズ』は、大切な人の命を救うために負け犬人生の主人公が、現在と10年間を行き来する。ヤンキーとタイムリープとサスペンスという組み合わせもいいのです。
次の2作は、時間が繰り返されるというよりも時間を旅する感覚です。『秘密の森の、その向こう』は、8歳の少女が時空を超えて8歳のママ(自分の母親)と出会う物語。森を通り抜けるという描写だけで時空を超えさせファンタジーを成立させているのが素晴らしい。『夏への扉 ―キミのいる未来へ―』は、世界的な名作、ロバート・A・ハインラインの「夏への扉」の映画化です。若き科学者が愛する人を助けるために30年の時を超える。時代設定が2025年と1995年ということもあり、今このタイミングで観るとリアリティが増します。
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』と『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』は、どちらもマルチバース(多元宇宙論)的な世界観です。前者は次元を超えて自分と自分がリンクする、後者はある日目覚めたらもう一つの世界にいた──という設定。どちらも、自分自身にとっての大切な存在にも気づかせてくれる映画です。
もしも過去に戻れたら、もしも未来を知れたら、映画を観ながら自分自身の「もしも」を考えることも楽しいものです。ちなみに、劇場でタイム○○的なもの観たいという方、一部の映画館になりますが『侍タイムスリッパー』『リライト』『サマータイムマシン・ブルース』上映しています!
映画を観ながら時間とは何かを考える夏休み、いかがでしょう。
TEXT Rie Shintani