CULTURE
ケニアのカルチャーに触れる『ラフィキ:ふたりの夢』
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『ラフィキ:ふたりの夢』
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映画からその国の文化を学ぶこともあります。今回ピックアップした『ラフィキ:ふたりの夢』はケニアの映画。タイトルの「ラフィキ」とはスワヒリ語で「友達」という意味で、看護師になるのが目標のケナとストリートで踊る自由奔放のジキ、2人の女性がふとしたきっかで出会い、惹かれ合い、友情から愛情が芽生えていく様を描いた物語です。
ジキの虹色の髪やカラフルなファッションとメイクからも伝わってくるように、舞台となるケニアのナイロビの街はとてもカラフル。色彩豊かなカルチャーが映し出されますが、そのカラフルさとは対照的にダークな一面も浮き彫りになっていきます。それは、ケニア(アフリカ)では同性愛が絶対的なタブーであること。ワヌリ・カヒウ監督が「この映画のラブシーンにおいて伝えたいのは、甘くぎこちない初恋の新鮮さと、すべてを危険にさらして選択する意志です」と語っているように、恋に落ちたヒロインたちは夢を叶えるためにどんな決断をするのか、古いしきたりとどう向きあうのか……。青春映画であり、ラブストーリーでもあり、ケニアの文化を通してセクシュアリティや自由、幸せについても考えさせられるのです。
実はこの映画、カンヌ国際映画祭をはじめ100以上もの映画祭に出品され世界から熱く支持されていますが、本国ケニアでは上映禁止でした(※のちに米アカデミー賞外国語映画賞のエントリー条件を満たすために、ナイロビの映画館で7日間だけ裁判所の許可を得て上映された)。──という背景から考えても、この映画を撮ろうと思ったワヌリ・カヒウ監督、ケナとジキを演じたサマンサ・ムガシアとシェイラ・ムニヴァ、製作に関わったすべての人たちの勇気とこの映画に込めた“想い”を感じます。
ケニアのカルチャーに触れるだけじゃない、いろいろな恋の形があっていい、そんなものすごくシンプルで、でもものすごく大切なことに気づかせてくれる映画です。
| ケナとジキの青春度 |
★★★★☆
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| ラブストーリー度 |
★★★★☆
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| ケニアの文化を知る度 |
★★★★★
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監督
ワヌリ・カヒウ
製作
スティーブン・マーコビッツ
製作総指揮
ティム・ヘディントン
出演
サマンサ・ムガシア
シェイラ・ムニバ
配給
ファインフィルムズ
11月9日よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
©Big World Cinema.
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