SEX&ART トーク イベントレポートをお届け♡
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こんにちはまりあんぬです。
今月16日にセックスとアートをテーマにしたイベントを開催しました。主催はるる(@yourlocalpinkgirl )と私。そして、日本にない避妊器具を日本に広める運動をしている「#なんでないの」の福田和子さん、TENGAの広報担当、西野芙美さん、性にまつわる情報を発信する、「ランドリーガール」の西本美沙さんの、3人のトークゲストを迎えたトークセッション、そしてDJやライブペイント、を加え、20名以上の人たちがコラムや作品で参加していただいたZINEも発売致しました。
20名くればいい方だな、、、と内心ドキドキのまりあんぬですが、宣伝に協力していただいた皆様のおかげで、次第に人が集まり、およそ80名のゲストが来てくださいました。
というわけで、イベントのレポートを書いていくわけですが、内容が非常に濃かったのと、こんなこと話してもいいんだとも思って欲しいということも含めて少し細かく書いていこうと思います。
とはいっても、イベント中ちょっとしたハプニングやらもあって私がバタバタしていたので、全てを覚えているわけではないのですが、覚えている範囲で書こうと思います。
トークセッションでは、イベントとは別に、お茶をした時に、ゲストの皆様がとてもフレンドリーでとても盛り上がったので、その楽しさをそのままいろんな人と分かち会いたいと思い、急遽2タームにして3人一緒にセッションすることにしました。
最初のお話は生理用品の話。日本の生理用品だけをみていると、機能的である=素晴らしい。という角度だけ捉えがちです。生理のデザインの考え方も、他の角度からも見て欲しいと思い、オーストラリア滞在中に集めた、生理用品を紹介しました。オーストラリアの生理用品は隠して置いておきたくないほど、おしゃれなものたちばかり。ここでお客様にアンケートを取ったところ、やはり、ナプキン派がずば抜けて多く、タンポンや月経カップを使用している人は2、3名ほどでした。
そして今回提供していただいた初の日本製月経カップ「ローズカップ」をもとに月経カップについても触れました。トークゲストの2人は月経カップを経験済みで、月経カップの入れ方や出し方、どの血液の量が使いやすくて使いにくいか、どれくらいで慣れるものなのか、失敗談、他の国の月経カップとローズカップの違いなど、実際に使用した人の感想が聞けるセッションとなりました。
親のセックスというテーマも。実際親のセックスを見てしまった、そのとき自分はどう思うかというお話です。日本の場合、やはり、セックスってオープンに話せなくて、特に親と子の間でもまるでないように扱われがちです。でも、家にいたらセックスしてるだろうし、オナニーだってしているかもしれません。またTENGAの西野さんが話されていたことは、大阪の百貨店でポップアップを開催した時におじいちゃんおばあいちゃんのパートナーが見にきてくれたということでした。セックスは若者のものではなく、人によってさまざまだし、生涯寄り添っていくものです。そんな時は初めは衝撃を受けるかもですが、親だってセックスするというのがあたりまえ、と感じれればなと思います。それ以前にもっと家族でも性の話をすれば、普通なんだなってきっとなるんだろうと思います。
AVを見ているとセックスってなんだか完璧でなくちゃ!と思いがち。ランドリーガールの西本さんが自身のイベントでも紹介されていた、「MLNP」を紹介していただきました。それは一般の人が本当一般的な二人の関係を動画に投稿するというサイト。その動画の中にはセックス中にお母さんが入ってきたり、ペットが邪魔したり、そんなちょっと笑ってしまうような動画も投稿されているそうです。実はセックスってそういうのが普通ということをお話していただきました。
トークセッションの中ではかなりリアルなお悩みも多くありました。例えば、痛くて入らない、うまくイけないなどなど。ゲストはそんなお悩みも真剣に受け取って答えてくれました。ゲストが伝えていたことは、リラックスが大事ということと、「イクことや、挿入が全てではない」ということです。自分のキモチイところを知って、それを相手にも知ってもらう。気持ちよくない、痛いものははっきりという。お互いがポジティブでいることが一番であるということでした。
コンドームの付け方が知りたい!というお答えがありましたので、私が手持ちのちんこくん(私のコレクションの顔がついてるジョークグッズ)とコンドームをお渡しして実践していただきました。しかし、ちんこくんがちょっとコンパクトで小さめだったので、コンドームがゆるゆるでモチロン アウトと言われてしまいました(笑)コンドームにも薄い以外にも味付きなど変わったアイテムもあり、バナナ味はまずいからオススメしないというお話も(笑)
2部目ではアートのイベントでもあるのでまず最初に触れたテーマが「セックスと音楽」。これはゲストの西野さんが自身のツイッターでこの音楽のこの部分がこうエロい!みたいなことを語られていまして、音楽とセックスってどれぐらい関係しているのかな?と思い、セッションのテーマに入れてみました。私こんなのがエロいっていう音楽を流してみたり、またセックス中に音楽を流すのか?流さないのか?という投票をとってみたり。流す人は流すとセックスにどう影響しているのか(盛り上がったりするの?)ジャズを聴くなんてのもありました。西野さんは民族系の楽器が一種にトランス状態になって面白いなんでのも。また流さない人はセックスに集中したいから音楽は邪魔!という意見も。
世界の避妊器具についても福田さんをメインにお話ししていただきました。避妊器具もコンドームやピル以外にもたくさんの種類があります。そういった様々な種類の中で、自分がどの避妊器具を使用してみたいかのアンケートをとったところIUD/IUSが一番多かったです。やはり、使用する頻度も少なく、1回で長く効果のあるものが人気のようです。しかし、日本ではお医者さんでさえ認知の少ないもの、そして日本では認められていないものが多く、海外で避妊の処方をしてきても、日本でなにかあった場合なにもできないということもあるようです。
またアフターピルや産婦人科の料金が高い!というお話も。海外はどれだけ安くて、日本はどれだけ高いのか、またなぜ日本はこんなに高いのか、なども福田さんを通してお話をしていただきました。
セクシャルマイノリティについてどう思うかという話では、またTENGAは実はゲイの人にとても人気なんだそう。というのも、他のオナホールは女性を模型にしたオナホールが多いのに対し、TENGAは女性を模型にしたわけでもなくお洒落なデザイン。なのでゲイの人にも受け入れやすかったのではないかということでした。デザインもゲイの人に作った訳ではなく、洗礼されたデザインを追求していった結果、一般的なオナホールをネガティブに感じていた人が、プラスに感じてくれただけなのだそうです。確かに、今の事態、アイデンティティとしてマイノリティを掲げる運動も大事ですが、それ以前にみんな同じ人であるということなんだと思います。
他国、そして私が滞在していたオーストラリアでも、ビアンだから、ゲイだからというところを誇示しているのではなく、普通にセクシャルマイノリティの人が「お宅改造計画!」みたいな番組に出ていたりしています。日本はほんの少しだけ遅れていて、そういったものが誇示されるのではなくありのままであってよいのではないでしょうか。性の世界はそういったものを一回剥ぎ取って、同じ人間だよ、といってくれる世界なのかもしれません。
個人的にとても嬉しかったのがトークセッションのとき、「こんなこと聞いていいんだろうか?」と不安に思いながらも思い切って質問や意見をいってくれる人もいました。また、カップルや男性も興味をもって参加していただいたということ。
ブレイクタイムも含めたDJタイムでは、ゲストと来場者がたくさんお話をしていたようなので、
それも私たちにとってとても嬉しいことだと思います。アートのプログラムをイベントに盛り込んだことで、普段は講義しか聞いたことない人、そして普段はパーティー系のイベントしか
きたことのない人が混じり合って、どっちのセッションの楽しさ、面白さを感じていただけたのでしょうか。
DJは3名。
Pedro と Yanashi とSaki suki sake チョイスがどれも新鮮で良かった。個人的に椎名林檎さんの丸の内サディスティックがハイライトでした。
そして音楽と一緒にライブペイントも行いました。セックスがテーマなライブペイント。TINYでもお馴染みのセンスあふれるmayyaちゃんの絵と、今回初めてライブペイントに挑戦したakariちゃん。しかもこんなに可愛い絵!性はポジティブで、楽しいものなんだと感じていただけたのではないかと思います。
今回とても楽しいイベントになったと思いますが、私たちとしてはメッセージが1つあります。
それは、このイベントだけで、性のテーマを終わらせて欲しくないということ。性はこんなにカジュアルに話せるものだと感じていただけたなら、ぜひ、性をもっとオープンに話せる環境をたくさんの場所で作って欲しいのです。家族と、友達と、恋人と、自分自身と、そうやって一人一人が積極的に、そしてポジティブに話していけば、セックスの価値観は変わっていくのではないかと思います。
staff:巴菜/Sae/夏帆/さや香
ZINE参加者:
ミック/水野絵奈/滝あかり/ドーラ/akari/アユミツカゴシ/Saki SUKi SAKE/萬田クラブ/MOOE/アコタコ/タニリサ/猫田チサ/Patiss/Maja/はつき/あなすいみーやそこ/eri/
pedro/かきぬま/Zion/タキザワマユ/アビー
ゲスト:福田和子/西野芙美/西本美沙
パフォーマンス:maaya/akari/Yanashi/Pedro/Saki SUKi SAKE/
スペースオーナー:さいとうまさるさん
ZINE印刷:オレンジ工房
《主催》
Ruru Ruriko
18歳の時にイギリスに留学、4年半過ごす、大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった女の子として生きることなどの疑問についてSNSに書くようになる。朝日新聞社のweb媒体「telling,」のライター他、多数のウェブメディアに文章を寄与している。
Instagram @yourlocalpinkgirl
https://telling.asahi.com/feature/11014622
Maria(まりあんぬ)
女性ファッションカルチャー誌NYLONJAPANのofficalblogger。また、個人の活動として「TINYZINE」というZINEや雑貨の販売イベントをプロデュース。今年4月に開催したイベントでは40グループが出展し、来場者は300人を上回ることに成功。トイ、自主規制、男色、性教育に関して興味を持つ。
Instagram @it_s_you_
NYLON blog: http://www.nylon.jp/blog/maria/
TINYZINE :http://www.nylon.jp/blog/maria/?cat=17