DRESSEDUNDRESSED 2018秋冬コレクション テーマは「I’m sexy」。
Posted onDRESSEDUNDRESSED
今年もDRESSEDUNDRESSEDのコレクションに招待いただいたので行ってきました。私自身ファッションのプロではないので書いても余計なこと書いてしまうかなと思い、今まで記事にして来なかったのですが、何度かショーを見させていただいてデザイナー二人の変化を感じ、今回は記事にしてみることにしました。
2つの相反する要素を結合させるブランドコンセプト
DRESSEDUNDRESSED(ドレスドアンドレスド)とはデザイナー北澤武志と佐藤絵美子が2009年に設立したブランドです。このブランドの特徴は、文字によるブランドコンセプトが明確しており、そのコンセプトから大きなブレなくコレクションを展開している点です。
ブランドのコンセプトは「二元性、対比性、対犠牲の結合」。男性らしさ女性らしさ、モードとストリート、未来と過去、光と影など、世の中の相反する様々な要素を結合しています。そして ブランドは、DRESSED UNDRESSED と言うように「着ること」「着ないこと」をテーマとして掲げています。
男と女の結合
コレクションを男性と女性を分離せず2つの性別をランウェイに歩かせ、時には男女二人を並ばせ歩かせたります。ファッションもウィメンズとメンズの2つを展開しています。前回の2018SSでは女性2人がファーストで歩く姿が印象的でしたが、今回はイギリスのヤングボーイが目立った印象(top写真参照)でした。(写真はこの写真のみ2018SS)
「白(陽)」と「黒(陰)」
また服もコレクション舞台もメインとなるカラーは「黒」と「白」です。2つの色を「着る」ことで、コンセプトの思う「結合」をどう読み取っていくかが注目となりそうです。そしてランウェイにも注目。あくまでどのシリーズも「黒」か「白」か。無駄なものはなく、シンプルに、そして鮮明にブランドのコンセプトを表現しています。
今期のテーマ「I’m sexy」
今回のテーマが「I’m sexy」。そこからデザイナーは 3つの要素を派生しました。
“Hiding(隠す)”、”Showing(見せる)”、”Alone(孤独)”。
Hideing(隠す)、”Showing(見せる)”は今期テーマの対比関係の部分でしょうか。シースルーを多用した着ているようで、着ていないような、ビジュアルや、シャツの背中に切り込みがめくれ、その下から下着姿のプリントシャツがチラリと見えると行った表現は、”sexy”から思わせるに一種のチラリズムなのではないかと思います。そしてそういった少し子供っぽい遊び心と、シックで大人のイメージが私たちの概念を困惑させます。
ブランドの変化、色の導入
昨年あたりから白や黒のベースが多かったブランドに、ポイントではなくメインに色を置いたルックが入ってきたこと。もともとさっぱりとした冷酷感のあるブランドだと思っていたので、昨年の寒色のブルーを使ったことにはそれほどびっくりはしませんでしたが、今回は「オレンジ」という混色が使われたことに少しインパクトを覚えました。赤や青と言ったカラーが入ってくるようになったこと。今回少しびっくりしたのが、モノトーンや寒色の色味のみ使用していたドレスドアンドレスドが暖色の色(オレンジ)を使用したということ。モノトーンではなく、色にポイントやインパクトをシフトさせて行っているのがこのブランドの変化の点ではないかと思っています。
オレンジの二面性
デザイナーにオレンジを使った理由を聞いたところ、オレンジは、「イマージェンシーカラー」であると同時に、「エナジーカラー」としても知られている、2面性のあるカラーであることに注目したとのことでした。今までは「対局した色」を「組み合わせる」ことで、結合性を表現してきたようですが「2つの意味合いを持つ1つの色」というのはなかなか面白いものではないかと思います。またこういった1つの色に意味を持たせるパフォーマンスはモノトーンをベーシックに進めてきたDRESSEDUNDRESSEDだからこそできる技ではないかと思います。
今後の展開の期待
前回の青というイメージカラーから相反し、今回はオレンジというイメージカラーを使用されました。白、黒から派生し、今後は色による大きな展開があっても面白いと思うし、白と黒の色の使われ方にも逆転的な発想があっても面白いなと思いつつこの記事を書いています。またDRESSEDUNDRESSEDは言葉によるイメージ展開をメインにしているのが特徴的で、そこからでるユニークなアイディアがどうやって具現化されていくのかも楽しみなポイントでもあります。(写真引用:DRESSEDUNDRESSEDfacebook内)