CULTURE
“はみだし者”たちのサクセス・ストーリー『ローズメイカー 奇跡のバラ』
『ローズメイカー 奇跡のバラ』
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最近どんな花を買いましたか? 誰かに贈るために花を買うことはあっても、自分のためにはなかなか……という人も、コロナの影響でお家時間が増えたこのご時世、自分のために花を買う人、増えていますよね。たった一輪でも、花のある生活は心に癒しとゆとりを与えてくれるものです。
今週ピックアップしたのは、誰もが知っている花=バラにまつわるフランス映画『ローズメイカー 奇跡のバラ』。バラとフランス映画というワードから、ちょっと敷居が高い映画なんじゃない?って構えてしまうかもしれないですが、登場人物は“はみだし者”たちばかり、彼らの出会いや奮闘をユーモアたっぷりに描いています。
主人公はフランスの郊外で小さなバラ園を経営するエヴ。天才ローズメイカー(バラ育種家)と称されていましたが、最近は新種の開発も思うようにいかず、コンクールではバラを大量生産する巨大バラ企業に8年連続で負け越し、バラの注文は激減、スタッフも辞めていき農園に残ったのはエヴと助手のヴェラだけ──。
人を雇う余裕はないけれど、バラ農園を倒産させるわけにはいかない!と、ヴェラはエヴに内緒で職業訓練所から3人を雇うことにしますが、3人ともまったくの素人で、エヴの足を引っぱってばかり……。でも、彼らがやって来たことで、新種開発のアイデアが生まれ、彼らの力を借りることでバラ以外に関心がなく頑固だったエヴが変わっていく、めちゃくちゃいい話なんです。
新種の交配のために、えっそこまでやっちゃうの!? というとんでもない計画にハラハラさせられたり、コンクールに向けて4人の間に生まれる連帯感にワクワクしたり、そして本当に大事なものって何ですか? という深いテーマもある。
普段あまりフランス映画を観ない人にとっては、主人公のエヴ役のカトリーヌ・フロ(フランスの国民的大女優です)も誰? だと思いますが、こんなにチャーミングなフランス映画もあるのねって発見になる、心をあたためてくれること間違いナシの素敵な映画です。
バラに興味が湧く度 |
★★★★★
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サクセス・ストーリー度 |
★★★★☆
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心があたたまる度 |
★★★★☆
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監督・脚本
ピエール・ピノー
出演
カトリーヌ・フロ メラン・オメルタ ファツァー・ブヤメッド
配給
松竹
5月28日(金)全国ロードショー
THE ROSE MAKER © 2020 ESTRELLA PRODUCTIONS – FRANCE 3 CINÉMA – AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINÉMA
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