まるでトリックアートの世界!フォトシェニックなエルリッヒ展♡

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まるでトリックアートの世界!フォトシェニックなエルリッヒ展♡

先週久々に森美術館の展示に行ってきました。現在展示しているのがフォトジェニックなエルリッヒ展です。エルリッヒといえば21世紀美術館のプールの作品でも有名ですよね。今回はそんなエルリッヒ展をより楽しめる記事を書いてみました!


親密性と疎外感

エルリッヒが作品を作る中で大事にしているもの親近性と疎外性です。
鑑賞者が溶け込みやすい親近感のある日常性の強い背景に焦点をあてています。
そうすることで鑑賞者は自ずと作品の中に自分を投影してしまいます。
エルリッヒの作品は基本 体感型(インスタレーション)ですので、尚更鑑賞者は作品の中の日常に自分が溶け込みやすくなっています。
エルリッヒはそういった日常的な空間の中で、一つの現実では起こりえない仕掛け(トリック)を作ることによって、違和感(強いインパクト)を鑑賞者の記憶に残すことができます。例えば「隣人(Neighbors)」という作品。両面には薄いドアがあり、部屋の内側演出しています。そのドアの覗き穴から中を除くと、あるはずのない奥行きある廊下がある。しかし反対側へ回って見てもその廊下はありません。現実ではないはずの空間が存在するというトリックです。そういった違和感がエルリッヒの作品を引き立てます。

鏡の世界について考えながらみると面白い

エルリッヒがトリックのために多用しているのが鏡です。
幼少期に鏡の世界の不思議さについて考えたことはありませんか?鏡に映る姿は対象物を写していながらも左右反対の世界を移しだす。現実に近いようで虚像の世界。
鏡はエルリッヒが唱える親密性と疎外感というテーマにぴったりの媒体です。
それを踏まえてエルリッヒの作品を他の鑑賞者よりももう一歩奥へ踏み入れてみましょう。
インスタ映えにも最適な「建物」という作品。(現実の世界では)鑑賞者が床面にある建物の上であらゆる方向に寝そべっている。しかし天井にある鏡の鑑賞者たちは(虚像の世界)ではあたかも鑑賞者がスパイのように真っ逆さまに壁を張っていたり、風に吹き飛ばされそうになっているようである。現実と虚像、どちらの世界にいるのもあなたなのでしょうか??
また別に絵の中に絵がさらにその奥に絵が書いてある作品。(向き合った鏡同士が連続して奥行きのあるように見える作品)こちらの作品は地味な作品なので通り過ぎてしまう人も多いかもしれませんが、絵の奥の方の鏡の世界はなんだか歪んでいるようにも見えますよね。そしてもう一つ忘れてはいけないのが(絵だから当たり前なのですが)鏡なら本当なら鑑賞者も写し出すのに私たち鑑賞者を写していません。鏡の中の世界に私たちがいない不思議な作品です。

シンメトリーがちょい足しで実は効いている

エルリッヒの作品を見ていてちょっと気づいたことはありませんか?ごちゃごちゃした作品というよりは、一つ一つがすっきりしていて洗礼しています。鏡の効果を使っている、ということもありますが、多くはシンメトリーな形が多いです。シンメトリーというものにも心理効果があり、デザイン的な美しさを作り出すと同時に違和感の世界でもあります。より作品がミステリアスなインパクトを作り出しやすい効果でもあるのです。

レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル
会期:2017年11月18日(土)〜2018年4月1日(日) ※会期中無休
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53F
開館時間:10:00〜22:00 (最終入館 21:30)
※火曜日のみ、17:00まで(最終入館 16:30)


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