HOME > It's Work Time vol.11 film director Kento Yamada 2/4

僕の作品は“ちょっと不思議で冷たい感じ”
ユートピアよりもデストピアなものが多い

−2015年にはバンドyahyelにVJとして加入されていますよね。これもライヴハウスから繋がったんですか?

それはまたちょっと別の話で、すごく簡単に言うと学校の友達です。普通に学校の喫煙所で会うみたいなメンバーのなかにyahyelを立ち上げた時のコアな2人がいて、もちろんライヴハウスでも会ったりしていました。「今度yahyelっていうちょっとしたプロジェクトをやろうとしてて、ビデオも撮りたいから相談するね」と言われて実際にMVを撮りました。それからも「数曲しかないけどライヴっぽいことをしようと思っているから、エレクトロなVJっぽいことってできない?」みたいな相談を受けて「やってみるわ」っていう感じでライヴに関わることに。その時はまだ作曲には何もタッチしていなかったけど、毎回ライヴには付いて行って、ヨーロッパツアーにも同行しました。ずっと一緒に活動していたから、これを機に正式にメンバーとして一緒にやっていくっていう空気もありつつ、かといって「今日からよろしくね」みたいな感じでもなく、ごく自然な感じで加入。

-加入前と加入後で変化はありましたか?

加入前は映像しかやっていなかったんですけど、今は映像もやりつつ、作曲とかもっといろんなことに関わるようになりました。去年yahyelメンバーが1人脱退したので、ライヴでは僕がその穴を補ってギターとかシンセサイザーを担当しています。作曲過程でもヴォーカル主体で、みんなで作っているので、ヴォーカルが作ったデモに僕のサウンドやギターの音を入れようとか、誰がどの音を入れるのかという感じで形にしていくんです。yahyelってバンドだけど、VJの僕がいたり、シンセサイザーとかサンプラーとかMPCみたいなやつとか、エフェクターをやるようなやつがいて、一概にバンドとには言いきれないんですよ。僕がyahyelで名乗る時は「ギターとシンセサイザーとVJやっています」って一応言ってます。

-山田さんといえばMVのイメージが強いですが、コアなアーティストからメジャーなアーティストまで幅広いジャンルの方々の作品を手掛けている印象があります。

僕はフリーランスなので基本的に僕自身がやりとりをしているんですが、自分で売り込むことはしたことがなくて。SuchmosやKANDYTOWNやyahyelのような近い存在の人達から、メジャーなアーティストから声がかかったのも別に何かこっちの意識を変えたという感覚はなくて、普通にいいものを作ろうと思ってやっていたら話も来るようになったって感じです。予算や知名度で選んだことは一度もないです。僕自身インディーズミュージックもすごく好きなので、メジャーなアーティストもコアなアーティストも両方やりたいんです。その点今は上手くバランスが取れている気がしています。MVを作る前になるべく実際にアーティストとお会いして、事前に打ち合わせをして意見を吸い上げたり、逆に僕からも提案したりして作り上げたいんです。

-そういったアーティストの方々からオファーが来る理由はなんだと思いますか?

なんでしょうね(笑)。最初の頃はなんでオファーをいただいていたのかは正直わからなかったです。でも逆に当時の作品は独学感もあったし、パッと見はチープだけど感覚っぽい映像だったと思うので、著名な映像監督さんにオファーするとできないようなものができていたのかもしれないですね。でも今はそういう頃も終えてなんとなく自分の作品のトーンが統一できている感じがしていて。僕の作品を客観的にひと言でいうと“ちょっと不思議で冷たい感じ”で、すごくハッピーでユートピアみたいな明るい感じの作品は多分ないですね。どちらかというとデストピアで同じ日中の太陽だったとしても冷たい感じ、ちょっと変で、毒っ気があるというかあまりオープンなものではないものが自分の作風だと思います。多分客観的に見てもそういう映像作家だというイメージがあると思うので、さすがにもうポップスのバンドで「すごいハッピーに撮ってください」っていうオファーは来ないですね。

-以前はハッピーなイメージのMVも撮影されてたんですか?

昔は来ていましたね。もう来たものなんでもやっていました。Suchmosをやっていた頃はどちらかというと男性バンドをかっこ良く撮る人っていうイメージだったと思います。だから本当にいろんなジャンルの方からオファーをいただいていましたね。最近はバンドもアイドルもyahyelも、男も女もやるけど、なんとなく冷たくてちょっと不思議な世界観にするのは製作する上で重視しているところです。

-MV以外にもSoftBankのCMも印象的でした。テレビCMとMVの違いは?

まだ広告の仕事はそんなにやっていなくて、全然MVのほうが多いです。でもやっぱり広告はMVとちょっと感覚的に違って、ものを売るための映像っていう色が強いし、15秒で勝負する世界。楽しいところもあるんですけど、簡単に言うと自分の意思が通らないこともあって、クライアントワークだなという感じはあります。もちろんMVもクライアントワークなんですけど、より一緒に作っていく感覚が強くありますし、僕は音楽が好きなので。あと、自分の経験としてマスとかコアとかいろいろあるにせよ、有名な方と関わるのはどのジャンルでも絶対に勉強になるっていう僕のなかの法則があります。

-その法則ができたきっかけは?

2017年にMVを手掛けた宇多田ヒカルさん(以下、宇多田さん)とか、その翌年だとGLAYさんとか嵐さんとか有名で一時代を築いている人は、人対人で関わることで勉強になることが多いなって思うんです。SoftBankの白戸家のシリーズって日本じゃ誰でも知っているくらい有名なCMじゃないですか。大変そうではあるけど挑戦してみたいって思ったんです。

山田健人/Kento Yamada

1992年生まれ。東京都出身。映像作家 / VJ。独学で映像を学び、2015年よりフリーランスとして数々の映像作品を生み出す。同年バンドyahyelに加入しVJとして活動。
Instagram @dutch_tokyo

ILLUSTRATION: TAKURO TAKAGI @takurotakagi

INTERVIEW&EDIT: KAHO FUKUDA

DESIGN: AZUSA TSUBOTA

CODING: JUN OKUZAWA

 



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