CULTURE
小松菜奈と松田龍平がいざなう幻想的な世界『わたくしどもは。』
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『わたくしどもは。』
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「生まれ変わったら、今度こそ一緒になろうね」そんな悲恋の行く末を想像させるワンシーンから物語は始まります。
舞台は佐渡島の金山跡地。ある日、自分の名前も過去も覚えていない女(小松菜奈)がやって来て、同じく記憶のない男(松田龍平)と出会い、二人はごく自然に一緒に過ごすようになります。
女はミドリ、男はアオと名付けられ、金山跡地で暮らす人々も登場します。彼らは何処からやって来たのか、なぜ記憶がないのか、これからどうなるのか、とにかく謎だらけで、神秘的で幻想的で美しい世界観がより一層、謎を深めるスパイスに。
この映画の世界が、あの世とこの世の狭間であることは想像に難くないでしょう。しかしながら、明確な答えにたどり着くことは難しくて。決して分かりやすい映画でもなくて。
自分の解釈はどうなのか、作り手は何を伝えたかったのか、答え合わせをしたいタイプの人は、もしかすると悶々としてしまうかもしれません。でも、その悶々とすることも理解に苦しむことも含めて映画を楽しむことなのではないかと思うのです。
主演の小松菜奈と松田龍平、大竹しのぶ、田中泯、石橋静河といった俳優たち、歌舞伎界ホープの片岡千之助、ダンサーで演出家の森山開次、能楽師の辰巳満次郎など、さまざまな分野で活躍する人たちが出演している。彼らは、富名哲也監督(・脚本・編集)が作り出す物語に最初に惹かれた人たちであり、この面子が惹かれた世界はぜひ観てみたいと駆り立てられる。ちなみに、音楽は野田洋次郎が担当しています。
分かりやすくはない。説明過多でもない。けれど、強烈に記憶に刻まれるものが映し出される。たまにはそんな未知の世界に足を踏み入れてみるのもいいものです。
| 幻想的な映像美度 |
★★★★☆
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| 世界観が難解度 |
★★★☆☆
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| 佐渡を訪れたくなる度 |
★★★☆☆
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監督・脚本・編集
富名哲也
出演
小松菜奈
松田龍平
片岡千之助
石橋静河
内田也哉子
森山開次
辰巳満次郎
田中泯
大竹しのぶ
配給
テツヤトミナフィルム
5月31日(金)より新宿シネマカリテほか全国順次公開
Ⓒ2023 テツヤトミナフィルム
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