CULTURE
ラストまで途切れることのない緊張感!『ありふれた教室』
『ありふれた教室』
|
良かれと思って行動したことが裏目に出てしまった──という痛い経験、誰にでもあるのではないかと思います。
ドイツから届いた『ありふれた教室』は、中学校を舞台にしたサスペンス・スリラー。
サスペンス・スリラーというと、もの凄い事件が繰り広げられるかのように聞こえるかもしれないですが、この映画は、目に映る衝撃というよりも、追いつめられていく心理的な衝撃、それが99分のなかにみごとに映し出されているのです。ぐいぐい引き込まれます。
物語はとてもシンプルです。主人公のカーラは仕事熱心で責任感が強い若手教師。赴任した中学校で、同僚や生徒の信頼を獲得しつつありました。
ある日、盗難事件が起き、カーラの教え子が疑われたことで、彼女は独自に犯人を探そうとしますが、その行動が思わぬ事態を引き起こしてしまうのです。良好に見えていた教師と生徒、保護者との信頼関係がガタガタと崩れ、正義とは何かを突き付けられます。
「この物語は制度、つまり社会の鏡についての作品です。それを表現するのに、学校は絶好の舞台なんです。なぜなら、私たちの社会の縮図であり、ひな型みたいなものだからです」
──と、イルケル・チャタク監督が語るように、自分(観客)の置かれた場所に当てはめて考えることができる、考えさせられる。ハッとさせられるのです。
カーラの“良かれと思って”の行動は雪だるま式に問題が大きくなって、「えっ、そういう展開に!?」「どうなっちゃうの!?」と、ハラハラドキドキが鳴り止みません。
そして、教室や職員室、学校というありふれた空間のなかで、こんなにもスリリングなストーリーが展開されるなんて!と感動する。ラストまで緊張が途切れることなく、のめり込んで観てしまう映画です。
ハラハラドキドキ緊迫度 |
★★★★★
|
ヒントをもらえる度 |
★★★★☆
|
99分あっという間度 |
★★★★☆
|
|
監督・脚本
イルケル・チャタク
出演
レオニー・ベネシュ
レオナルト・シュテットニッシュ
エーファ・レーバウ
ミヒャエル・クラマー
ラファエル・シュタホヴィアク
配給
アルバトロス・フィルム
5月17日(金)新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、シネ・リーブル池袋ほか全国公開
Ⓒ if… Productions/ZDF/arte MMXXII
Ⓒ Judith Kaufmann, Alamode Film
ⒸBorisLaewen
ⒸifProductions_JudithKaufmann
ⒸHanna-Lenz
Ⓒ Johannes Duncker
|
RECOMMEND
韓国アーティストとのコラボ多数! 韓国の人気イラストレーターをご紹介–韓国HOT NEWS 『COKOREA MANIA』 vol.437
思考フル回転で!『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
まるで日本にいる気分? 日本語が特徴的な韓国のitカフェをご紹介–韓国HOT NEWS 『COKOREA MANIA』 vol.94
CULTURE NEWS
個性的でキュートな韓国キャンドルをチェックしよう!–韓国HOT NEWS 『COKOREA MANIA』 vol.452
仕事と感情、自分だったらどちらを選ぶ?『けものがいる』
不思議な記憶の先にある温かな感情『花まんま』