CULTURE
成田凌が念願の三木聡ワールドへ『コンビニエンス・ストーリー』
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『コンビニエンス・ストーリー』
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人は映画を観ながら、そこに描かれている世界観やキャラクターの心情、物語の設定を理解しようとするものです。けれど、あまりにも不思議で、あまりにもシュール(非現実的)だったりすると、理解しようとすることをやめて、目の前に広がる映画の世界を楽しんだほうがいいな、と思考を切り替える──映画『コンビニエンス・ストーリー』は、まさにそういう映画です。
いまや私たちの生活に欠かせない存在となっているコンビニ。そのコンビニの中に異世界への入口があったら?その世界に迷い込んでしまったら?
スランプ中の売れない脚本家・加藤(成田凌)は、とある事情で山奥に出かけたものの、レンタカーが故障して立ち往生。「ソリーマート」というコンビニを見つけ、そこで働く妖艶な人妻・惠子(前田敦子)に助けてもらうことにします。けれど、何か違和感があって、加藤以外の登場人物の行動もよく分からなくて、ナンセンスなシチュエーションが次から次へと押し寄せてくる。そのなかで、加藤はどうなるのか……。
コンビニという身近で現実的な空間をシュールな世界として描くこの物語は、そもそもどうやって生まれたのかというと──東京をベースに映画評論家として活動するマーク・シリングが考えた原案を三木聡監督に託すかたちで誕生したのです。
「きっかけは、震災後のコンビニが砂漠の中のオアシスのような存在だったことと、そしてダンテの『神曲』から」(マーク・シリング)
「生と死の世界が地続きであるという、神話の世界観を僕なりに織り交ぜています」(三木聡)
という2人のコメントからこの映画のキーワードが見えてくるように感じますが、三木聡監督といえば、ドラマ映画『亀は意外と速く泳ぐ』『転々』『インスタント沼』、ドラマ「時効警察」シリーズなど、独特の世界観を創り出す映像作家。分かりそうで分からない、でも面白くて、この世界は一体何だったんだ?という何とも言えない余韻に包まれる、それが三木ワールド。まだハマったことのない人、『コンビニエンス・ストーリー』でお試しあれ。
| コンビニのレトロ度 |
★★★☆☆
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| 全キャラ濃すぎる度 |
★★★★☆
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| 天国と地獄の狭間度 |
★★★★☆
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脚本
三木聡
監督
三木聡
出演
成田凌
前田敦子
六角精児
片山友希
ふせえり
松浦祐也
配給
東映ビデオ
8月5日(金)全国ロードショー
©2022 「コンビニエンス・ストーリー」 製作委員会
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