CULTURE
『ブルー・バレンタイン』の監督が贈る愛の物語『光をくれた人』
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『光をくれた人』
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デレク・シアンフランス監督作の『ブルー・バレンタイン』は強烈な愛の物語だった。ライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズの演じた夫婦のリアリティ──2人の愛が最高に輝いている瞬間、そこから徐々に愛が失われていく残酷さを突きつけられ、その生々しさに驚かされたのをよく覚えている。その監督が、マイケル・ファスベンダーとアリシア・ヴィキャンデルを迎え、また別の愛の物語『光をくれた人』を撮った。観ないわけにはいかない。
時代は1918年。舞台はオーストラリア西部のバルタジョウズ岬から160キロ離れた絶海に浮かぶヤヌスという孤島。そこで出会い、惹かれていく2人の男女。戦争で心に傷を追ったトム(マイケル・ファスベンダー)と戦争で2人の兄を亡くしたイザベル(アリシア・ヴィキャンデル)の愛の物語だ。灯台守として働くトムと一緒に島で幸せに暮らすイザベルだったが、2度の流産という悲しい出来事に見舞われる。そして2度目の流産の直後、島に1隻のボートが流れ着く。そこには息絶えた男と女の子の赤ん坊が乗っていた。その赤ん坊を自分たちの娘として育てたことによって、2人の人生は……。
この映画の感動ポイントは、自分を照らしてくれる大切な人を丁寧に描いていることだ。恋人、夫婦、家族、親子、どこに深く感動するかは人それぞれだが、自分にとって光となるその人のために何ができるのか、愛するとはどういうことなのか、今回も生々しい感情を突きつけてくる。愛するがゆえに間違うこともあって、愛から罪が生まれ、赦すことでまた愛が生まれる。心の筋肉をじんわり揉みほぐし、そして強くしてくれるような映画だ。
| 演技派俳優度 |
★★★★☆ |
| 秘密の深刻度 |
★★★★★ |
| ハンカチ必須度 |
★★★★☆ |
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監督
デレク・シアンフランス
脚本
デビッド・ハイマン
ジェフリー・クリフォード
製作総指揮
トム・カーノウスキー
ロージー・アリソン
出演
マイケル・ファスベンダー
アリシア・ヴィキャンデル
レイチェル・ワイズ
ブライアン・ブラウン
ジャック・トンプソン
配給
ファントム・フィルム
2017年5月26日(金)TOHOシネマズ シャンテ 他にて公開
ⓒ 2016 STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC
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