CULTURE
これは他人事じゃない!? SNSの光と闇『メインストリーム』
『メインストリーム』
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日々のなかで、私たちはどのくらいSNSに時間を割いているのでしょうか。Instagram、twitter、Facebook、TikTok、ブログ、音声配信、そしてYouTube……次から次へと新しいツールが生まれ、誰もが容易に自己表現できる場がある、それはすごく魅力的です。けれど、その世界にのめり込むほど「いいね」の数や視聴回数が気になって、もっともっとと承認欲求が湧いてくる。そしてSNSに振り回されていることに疲れてしまう──。
今回ピックアップした『メインストリーム』のテーマもまさにそこにあります。夢と野心が交錯する街LAで出会った3人の若者たち。何者かになりたいのに、YouTubeにアップする映像作品はまったく注目されず、さびれたコメディバーで生計を立てているフランキー(マヤ・ホーク)。ある日彼女は、天才的な話術を持ったリンク(アンドリュー・ガーフィールド)と出会い、彼のカリスマ性に惹かれていきます。彼となら注目を浴びる映像を作れるかもしれない、何者かになれるかもしれないと、男友達で作家志望のジェイク(ナット・ウルフ)を巻き込み、3人で動画制作をスタート。瞬く間にSNS界のスターダムを駆け上がりますが、リンクはどんどん過激になり、狂気が暴走し、取り返しのつかない事態に。
SNSの中毒性に取り憑かれた若者たちが三者三様どんな結末を迎えるのか。特にアンドリュー・ガーフィールドの演じるリンクの変化は強烈です。もともと美形のガーフィールドが、美形をチラつかせつつの、あの胸くそ悪さといったら!そんな男に惚れてしまったフランキーの苦悩もまた切なくて。抜け出したいと思いながらも、ずるずるとリンクという沼に引き込まれて、危険な方へ進んでいき……。
人気YouTuberとなった若者たちに降りかかるSNSの光と闇、功罪が描かれるわけですが、華やかな世界の裏と表、栄光と挫折といった切り口自体に目新しさはないものの、見せたいもの、見せたくないものの表現方法が面白くて、ジア・コッポラ監督(フランシス・フォード・コッポラの孫にして、ソフィア・コッポラの姪)の個性が光っています。もちろん、なんかお洒落だなという世界観のなかには、SNSとどう向きあうべきなのかも問いかけてくる、実はとても深い映画です。
ラブストーリー度 |
★★★☆☆
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若者のもがき度 |
★★★★☆
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SNSを考える度 |
★★★★★
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監督
ジア・コッポラ(『パロアルト・ストーリー』)
出演
アンドリュー・ガーフィールド
マヤ・ホーク
ナット・ウルフ
ジョニー・ノックスヴィル
ジェイソン・シュワルツマン
アレクサ・デミー
コリーン・キャンプ
配給
ハピネットファントム・スタジオ
10月8日(金)より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
©2020 Eat Art, LLC All rights reserved.
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