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Mega Hit Patrol vol.2
Justin Bieber参加で21年ぶりの歴史的快挙! 2017年の夏はレゲトンが流行る?

夏と言えばレゲエだ! という安直な発想があるけれど、ここは敢えて頭を空っぽにしてこんな風に言いたい。「2017年の夏はレゲトンだ!」。

ざっくり説明すると、レゲトンとは、レゲエとヒップホップとプエルトリコ音楽(サルサとかボンバとか)を混ぜ合わせたもの。まあ、基本的には陽気でセクシーで情熱的な音楽だ。レゲエが夏に合うんだから、もちろんレゲトンも夏に合う。

2000年代半ばに一度ブームとなったレゲトンだけど、今また注目を集めている。なぜかと言えば、Justin Bieberが「リミックス」で参加したLuis FonsiとDaddy Yankeeのレゲトン・ポップ“Despacito (Remix)”が世界中で大ヒットしているから。

“Despacito”のオリジナル・ヴァージョンは、世界17ヶ国でヒット・チャート1位を獲得。そこにJustin参加のリミックスが登場して更なるブーストがかかり、遂にはリミックス版が全米1位を奪取することとなった。

このリミックスは、Justinが英語で歌うイントロ・パート以外、ほぼ全編スペイン語。実はスペイン語の曲が全米チャートで1位を取るのは史上3曲目、21年ぶり。この歴史的な快挙に、世界中が色めき立っている。やっぱり2017年の夏はレゲトンだ! と。(いや、そこまで大袈裟なことは言ってないけど、騒いでいるのは本当。)

さて、この歴史的なヒットは何を歌ってるんだろうか? Daddy Yankeeには“Gasolina”というレゲトンのビッグ・ヒットがあるが、その曲は「俺のガソリンを女の子たちに注ぐぜ」という、まあ、ラテンのりのセクシーでイケイケな曲。こういう歌詞はレゲトンには少なくない。で、この“Despacito (Remix)”はそこまでお下品ではないけれど、セクシーな曲ではある。

タイトルのDespacitoとは、英語でslowlyという意味。簡単に要約すると、愛する人に向かって「ゆっくりと求め合おう」と誘いかけているような曲だ。

「君が僕の耳をかじる、そのやり方。僕が聞きたい、たった一つの言葉。ベイビー、ゆっくりとやろう、そうすれば長く楽しめるから」というJustinの言葉のチョイスも、歌い方も、曲のムードに合わせてか、いつも以上にセクシーに感じられる。

1996年の夏にLos Del Rioの“Macarena (Bayside Boys Mix)”が全米No.1ヒットとなり、90年代後半にはラテン・ポップのブームが起こった。郷ひろみもカヴァーしたRicky Martinの“Livin' La Vida Loca”は、ここ日本でも大旋風を巻き起こした。だから、本当に“Despacito (Remix)”が新たなラテン・ポップ・ブームの発火点となってもおかしくないのだけど、果たして?

TEXT: YOSHIHARU KOBAYASHI / THE SIGN MAGAZINE
ILLUSTRATE: EVE