CULTURE
ケイト・ウィンスレットを魅了した女性報道写真家『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』
『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』
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この映画の主人公リー・ミラーとは、20世紀の激動の時代を駆け抜けた写真家。「写真を撮られる側ではなく、撮る側でありたい」と、トップモデルからアーティスト、そして報道写真家へと異例の道を歩んだ女性です。
マン・レイ、ピカソ、シャネル、ジャン・コクトー、ダリ、コンデ・ナストといった時代の天才たちを魅了したミューズでありながら、自らもカメラを手にし、やがては戦場へと赴く。彼女が20世紀を代表する女性報道写真家として名を刻む決定的な瞬間──ヒトラーの浴室で撮影した写真など、彼女にしか切り取れなかった情景と共に、リー・ミラーの半生が描かれます。
この映画を観れば、リー・ミラーが何を成し遂げたのかが見えてきます。けれども、なぜ命の危険を冒してまで戦場に赴いたのか。彼女を突き動かしたものは何だったのか。その心の奥底を理解するのは容易ではなく、これまで幾度となく映像化の企画が立ち上がっては、実現に至りませんでした。
そんな中、8年以上の歳月をかけてこの映画を完成させたのが、主演と製作総指揮を務めたケイト・ウィンスレット。彼女がリー・ミラーを描けたのは、どこか通じ合う部分があったからではないかと思うのです。
そもそも、ウィンスレットが一躍世界的スターとなったのは『タイタニック』でした。その後も『愛を読むひと』でアカデミー賞主演女優賞を受賞するなど第一線で活躍していますが、彼女の作品選びは常に挑戦的。安易なハリウッド的な成功に乗ることなく、独自の視点で役(作品)を選び、自立した表現者としての道を切り拓いてきた。その生き方が、どこかリー・ミラーと重なって見える。
だから彼女が選んだ題材、彼女が演じた役、彼女が届ける作品──それが「観たい理由」になる。ウィンスレットのファンとして『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』を観る、そしてリー・ミラーからも人生の道標となるようなメッセージを受け取る。この映画は、そんな豊かな時間を与えてくれる作品。
あなたは、どんな「美しさ=生きる力」を持っているのか? という問いかけに自然と向き合いたくなるのです。
歴史を知る度 |
★★★★☆
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演技の力度 |
★★★★★
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写真の力度 |
★★★★★
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監督
エレン・クラス
出演
ケイト・ウィンスレット
アンディ・サムバーグ
アレクサンダー・スカルスガルド
マリオン・コティヤール
ジョシュ・オコナー
アンドレア・ライズボロー
ノエミ・メルラン
配給
カルチュア・パブリッシャーズ
2025年5月9日(金)よりTOHOシネマズシャンテほかROADSHOW
ⒸBROUHAHA LEE LIMITED 2023
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