CULTURE
名曲から生まれたラブストーリー『大きな玉ねぎの下で』
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『大きな玉ねぎの下で』
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何か伝えたいとき、スマホを使えば瞬時に相手にメッセージは届きます。便利な時代です。とても便利ではあるのですが、相手とのやりとりにかかる時間を短縮することで、返信を待ちながらその人のことを想う時間を手放しているのかも……。映画『大きな玉ねぎの下で』を観ると、そんなことを思わずにはいられないのです。
この映画は、少しユニークなプロジェクトから生まれました。『100回泣くこと』の小説家・中村航と『東京リベンジャーズ』シリーズの脚本家・高橋泉がコラボレーションし、小説と実写映画を同時に展開するというもの(プラス、コミカライズもある)。爆風スランプの名曲「大きな玉ねぎの下で」をモチーフに、それぞれ違うストーリーの結末になっています。
2つの時代の青春が描かれます。ひとつは現代。丈流(神尾楓珠)と美優(桜田ひより)は、夜はバー・昼はカフェになる店「Double」でそれぞれ働いていますが、バイト先は同じなのに会ったことがない。でも、“夜の人”と“昼の人”の業務連絡用のバイトノートに共通の趣味や悩みも綴るようになり、顔を知らないまま会う約束をします。一方、あるラジオ番組では30年前のペンフレンドとの恋が語られていました。バイトノートを通じた恋、手紙(文通)を通じた恋、2つの時代の恋と世代を越えた人たちがどう繋がっていくのか──。
一目惚れで恋に落ちることもあれば、会ったことはないけれど、この映画の登場人物のようにバイト先のノートや手紙で恋が始まることもある。しかも手書きというのが、やはり大事で。いろいろなことがデジタルに移行していく時代だからこそ、手書きのぬくもりを再確認したくなる。もちろん、物語のモチーフになっている「大きな玉ねぎの下で」が、30年前と今とどんなふうに歌われているのかも感動ポイントです。
| 「大きな玉ねぎの下で」を歌いたくなる度 |
★★★★★
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| 80年代の昭和レトロ感もいい感じ度 |
★★★☆☆
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| 武道館で待ち合わせをしてみたくなる度 |
★★★★☆
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監督
草野翔吾
脚本
高橋泉
出演
神尾楓珠
桜田ひより
山本美月
中川大輔
伊東蒼
藤原大祐
窪塚愛流
瀧七海
伊藤あさひ
休日課長
和田正人
asmi
飯島直子
西田尚美
原田泰造
江口洋介
配給
東映
2025年2月7日(金)よりロードショー
Ⓒ2024映画「大きな玉ねぎの下で」製作委員会
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