CULTURE
傷ついて進んでいく『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』
『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』
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映画を作る者の“映画愛”が込められた作品は数多く作られています。往年の名作『ニュー・シネマ・パラダイス』をはじめ、スピルバーグの自伝的映画『フェイブルマンズ』、タランティーノがハリウッドに送るラブレター『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』、ミシェル・ゴンドリーのユニークな発想が炸裂する『僕らのミライへ逆回転』など書ききれません。
そして、またひとつ映画愛に満ちた作品が生まれた──。何とも、どストレートなタイトルで勝負しているこの映画『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』です。監督は、本作が長編デビューとなるチャンドラー・レヴァック。
主人公は17歳のローレンス。ニューヨーク大学でトッド・ソロンズから映画を学ぶことを夢見ていて、高額な学費を捻出するために地元のビデオ店でアルバイトを始めます。ところが、バイトを始めたことによって、親友のマットと毎週末「SNL(サタデー・ナイト・ライブ)」を見る時間がなくなり、どんどん疎遠に。ビデオ店のスタッフと打ち解けていくものの、ある事件が起きて……。
高校から大学へ。子供と大人の境目のような年代は夢と現実に揺れ動くものです。社会を知らない分、家族の優しさに気づかなかったり、自分の可能性を過信したり、ちょっととんがってみたり……。でも成長過程ですから、それは当たり前。だから共感する。
また、この映画のいいところは17歳のローレンスだけでなく、十代も大人もそれぞれが抱えている心の傷に触れながら、自分自身を受け止めて一歩踏み出していく姿を描いていること。その中には巻き戻せない苦い経験も含まれますが、どう受け止めたらいいのか、一緒に考えることができる。特にローレンスの成長に心がじんわり熱くなる、素敵な青春映画です。
映画愛度 |
★★★★☆
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オタク度 |
★★★☆☆
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成長度 |
★★★★☆
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監督・脚本
チャンドラー・レヴァック
出演
アイザイア・レティネン
ロミーナ・ドゥーゴ
クリスタ・ブリッジス
パーシー・ハインズ・ホワイト
配給
イーニッド・フィルム
2024年12月27日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
Ⓒ2022 VHS Forever Inc.All Rights Reserved.
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