CULTURE
“衣”の終わりと始まりとこれからを知る『燃えるドレスを紡いで』
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『燃えるドレスを紡いで』
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映画『燃えるドレスを紡いで』は、洋服との向き合い方が変わる、ゴミとは何なのかを考えさせられるドキュメンタリーです。
一年間にどのくらいの洋服を買いますか?
自宅のクローゼットに洋服はどのくらいありますか?
洋服の素材や作られる工程を気にしていますか?
ファッション産業は、環境負荷が最も高い産業のひとつとされ、近年は大量生産・大量消費を問題視する声が大きくなっていることから、先に挙げた問いを一人一人が意識するようになってきたのではないでしょうか。
『燃えるドレスを紡いで』が、まず最初に投げかけてくるのは、手放した洋服が行き着く先、服の終着地点について。インドやカンボジア、ケニア、チリには世界中から大量の中古衣料が集まり、繊維廃棄物の場となっています。大きな環境問題のひとつです。
その事実を自身の目で確かめるため、パリ・コレクション、オートクチュール招聘デザイナーの中里唯馬さんは、関根光才監督とともにケニアに向かいます。そこで彼らを待っていたのは、世界最大と言える中古服市場と途方もない大きさのゴミの山でした。
ゴミの山を前に中里さんは言葉を失います。そして、ケニアの北の砂漠、気候危機のど真ん中の大地で暮らす人々と出会い、衣食住の“衣”について、衣のはじまりとファッションの必要性に触れるのです。
ファッション業界における問題を扱ったドキュメンタリーはこれまでにも作られてきましたが、この『燃えるドレスを紡いで』が素晴らしいのは、衣服の終わりと始まり、衣服の環境問題、生きるうえで必要な衣服、一見対極にあるものに繋がりを見いだし、同時に映し出していることです。
さらにケニアの旅を経て、中里さんは課題解決と新しいデザインの両軸でコレクション制作に挑んでいく、関根監督はその過程も追いかけます。EPSONやベンチャー企業SPIBERとの取り組みも実に興味深いのです。
ファッションがもたらす現実に衝撃を受けると思います。けれど、希望も見せてくれます。観る前と後では、確実に洋服との向き合い方が変わる、そんな力のある映画です。
| ケニアでの発見度 |
★★★★★
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| 意識が変わる度 |
★★★★★
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| パリコレの関心度 |
★★★★☆
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監督
関根光才
出演
中里唯馬
配給
NAKACHIKA PICTURES
3月16日(土)K’s cinema、シネクイント他全国順次公開
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