CULTURE
ジェシー・アイゼンバーグ初監督作『僕らの世界が交わるまで』
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『僕らの世界が交わるまで』
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家族、親子、兄妹、身近な人たちをテーマにした映画というのは、やまほど作られています。日ごろから映画に触れている人にとっては、またこのテーマか……となることだって少なくはないはずです。
もちろん、誰にとっても身近なテーマになるからこそ、作られる。そのなかで、“そそる”ポイントがあるかどうかが「観たい」に繋がっていくのではないかと思うのです。
『僕らの世界が交わるまで』のそそるポイントは、何と言っても新しい才能に出会えること。ジェシー・アイゼンバーグの初監督作であることです。俳優としての彼は、『ソーシャル・ネットワーク』や『ゾンビランド』で周知されています。そんなスター俳優が監督としてデビュー。彼の才能ってどんな感じ?って興味が湧きますよね。
今回の作品はジェシー・アイゼンバーグによる架空の物語ではありますが、彼の亡き義母の生き方もヒントに。義母はDV被害者のためのシェルターを設立・運営していたそうで、映画のなかでジュリアン・ムーアの演じる母エヴリンのキャラクターに重なります。
エヴリンは、シェルターを運営している真面目で努力家の女性ですが、息子とのコミュニケーションはうまくいっていません。一方、息子のジギーは、SNSのライブ配信で曲を発表し、2万人のファンに幸せを与えていますが、気になる学生のライラの気持ちは掴めません。
母と息子、それぞれの生き方を通して描かれるのは「価値観の違う大切な人たちと仲良くやっていくにはどうしたらいいのか」ということ、そうジェシー・アイゼンバーグは言います。
人は、人生において何か問題にぶつかると、正しい答え探しに力を注ぎがち。でも、実際は明確な答えなんてなくて──。そう、この映画は答えではなく気づきであると教えてくれるのです。
誰にでも気づきのチャンスはあって、それはふとした瞬間に訪れる。「仲良くやっていくにはどうしたらいいのか」その答えは、気づきのチャンスをキャッチできるかどうかなのではないかと。その道のりをこの映画は、ときに痛々しく、ときにコミカルに、とても丁寧に描いています。
大きく括れば家族の物語ですが、自分を幸せにするための気づきの物語でもある。気づくことで幸せになる、気づくことで相手の気持ちも理解できるようになる、そして自分が幸せになると周りも幸せにしたいと思う。そういう気持ちの連鎖が見えることがこの映画の魅力。監督としてのジェシー・アイゼンバーグ、なかなかどうして凄いのです。
| A24製作の映画はやっぱりいいな度 |
★★★★☆
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| エマ・ストーンがプロデュースもチェック度 |
★★★☆☆
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| ジギー役のフィン・ウォルフハードの注目度 |
★★★★★
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監督・脚本
ジェシー・アイゼンバーグ
出演
ジュリアン・ムーア
フィン・ウォルフハード
アリーシャ・ボー
配給
カルチュア・パブリッシャーズ
1月19日(金) TOHOシネマズ シャンテ他全国公開!
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