CULTURE
学生寮に住む若者たちの最後の5日間『うかうかと終焉』
『うかうかと終焉』
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出会いがあれば別れもある、始まりがあれば終わりもある。人は、いくつもの“卒業(=別れ)”を経て大人になっていく、人生を重ねていくものです。『うかうかと終焉』は、取り壊しの決まった学生寮に住む若者たちの最後の5日間の物語。5人の若者の卒業が描かれます。
原作は、社会人演劇ユニット「芝熊(shiba-kuma)」の旗揚げ作品にして、演劇界の重鎮たちから絶賛された戯曲です。
登場人物は、10回生・美濃部を中心とした仲の良い5人。学生寮は5日後に取り壊されるため、ひとり、またひとり、去っていきます。仲間を送り出しながら、最後の麻雀をしたり、鍋でお別れ会をしたり、引っ越しの準備をしたりしなかったり。
想い出を語りながら、“これから”どう生きるのかを決めなければならないのですが、なかには、なかなか決心のつかない人もいます。ずっと言えずにいた気持ちを伝えようとするけれど伝えられずにいる人もいます。後悔、希望、不安……それぞれ何かしら想いを抱えていて、それを淡々と丁寧に映し出していきます。
5人を中心に物語は進んでいきますが、学生寮ももうひとりの登場人物。寮の至る所に落書きがあって、それらは、寮を去るときに卒業生が書いていく「別れのメッセージ」。映画のなかでの寮の伝統になっています。
当たり障りのない別れの言葉、気の利いたメッセージ、才能ある一文など、映画を観る人によって目に留まる「別れのメッセージ」は異なると思いますが、何気ないひと言に背中を押してもらうこともあるものです。
『うかうかと終焉』は、ちょっとセンチメンタルでとても温かい、5人の旅立ちを通して終わることと始まることを感じ取る青春映画です。
想い出度 |
★★★★☆
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旅立ち度 |
★★★★★
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温かさ度 |
★★★★☆
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監督・脚本
大田雄史
出演
西岡星汰
渡辺佑太朗
松本妃代
三浦獠太
乃中瑞生
中山翔貴
中村無何有
コウメ太夫
後藤剛範
森下能幸
池谷のぶえ
前野朋哉
草村礼子
平泉成
配給・宣伝
マジックアワー
10月13日(金)よりテアトル新宿ほか全国順次公開
Ⓒ「うかうかと終焉」製作委員会
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