CULTURE
衝撃的な映像美の先にある爽やかな感動を体験してほしい『娼年』
『娼年』
たしかに、この映画『娼年』は衝撃的でセンセーショナルだ。セックスシーンも過激だ。けれどそれだけではない、一人の青年の成長の物語が丁寧に描かれていて、そこにもの凄く惹かれる。R18+指定ではあるが、性に多感なときにこそ、松坂桃李の演じるリョウと近い年齢の時にこそ、こういう映画に触れる──それはとても貴重な体験になると思う。
主人公は、森中領(松坂桃李)。名門大学生でありながらも日々の生活や女性との関係に充実感を感じられず、バーのバイトに明け暮れている青年だ。ある日、偶然バーにやってきた女性客・静香に「女なんてつまらない」とつぶやいたことがきっかけで、彼女が手がける会員制ボーイズクラブ「Le Club Passion」で、娼夫“リョウ”として働くことになる。生きることに無気力だった領は、リョウとしてさまざまなタイプの女性と向きあうことで成長していく。
この映画の面白さは、リョウの成長を分かりやすい言葉で描いていくのではなく、肉体の触れ合いを通して描いていくことだ。「目は口ほどに物を言う」ということわざがあるが、この映画においては「肉体の触れ合い=セックスは口ほどに物を言う」になるだろう。観終わった後に感じるのは、きっと視覚としての衝撃以上に心を揺さぶられる衝撃。女性にこそ観て欲しい映画だ。
俳優たちの脱ぎっぷり度
★★★★★
松坂桃李の魅力にやられる度
★★★★★
鑑賞後に語りたくなる度
★★★★☆
脚本・監督
三浦大輔
原作
石田衣良
「娼年」(集英社文庫刊)
主演
松坂桃李
企画製作・配給
ファントム・フィルム
【R18+】
2018年4月6日(金)TOHOシネマズ 新宿 他 全国ロードショー
© 石田衣良/集英社 2017映画『娼年』製作委員会
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