CULTURE
完璧を求めた天才芸術家の人生を垣間見る名作『ジャコメッティ 最後の肖像』
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『ジャコメッティ 最後の肖像』
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有名な絵画を知っていても、それを描いた画家がどんな人物だったのか、どんな人生を歩んだのか、どんなふうにその作品が作られたのかは意外と知らないものだ。『ジャコメッティ 最後の肖像』はタイトルの通り、彫刻家にして油絵作品も数多く残した芸術家、アルベルト・ジャコメッティが最後に手掛けた肖像画の話だ。
舞台は1964年のパリ。ジャコメッティ(ジェフリー・ラッシュ)の友人であり作家であるジェイムズ・ロード(アーミー・ハマー)は、アメリカ帰国寸前に肖像画のモデルになってほしいと頼まれ、パリ滞在を延ばすことにする。巨匠の仕事を間近で見ることができると引き受けたが、2日で描き上げるという予定は1日、また1日と延びていった。ジャコメッティは絵を完成させる気があるのか? 2人の関係は次第に不調になっていく。
画家とモデル、アトリエで繰り広げられる出来事はとても地味だが、描くほど苦悩する芸術家の姿を間近で見ているような臨場感は感動ものだ。しかもジェフリー・ラッシュの演じるジャコメッティはどこからどう見てもジャコメッティで、彼が見つめる先にいるロード、アーミー・ハマーとの呼吸もぴったりだ。できる限り忠実に再現したというアトリエも素晴らしく、その世界に引き込まれる。最後の肖像画とはどんなものなのか、完成したのか──。
アトリエに無造作に置かれた彫刻の数々のなかには、有名な「歩く男」「女性立像」「大きな頭部」を彷彿させる彫刻もあり、映画を観る前と後とで作品の見方はまったく変わるだろう。彫刻家、画家、素描家、版画家であったジャコメッティは、とても興味深い芸術家。この映画の元になっている原作(ジェイムズ・ロード著)も読んでみたくなった。
| ラッシュのなりきり度 |
★★★★☆ |
| ハマーの顔どアップ度 |
★★★★☆ |
| アトリエの再現度 |
★★★★☆ |
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監督・脚本
スタンリー・トゥッチ
出演
ジェフリー・ラッシュ
アーミー・ハマー
クレマンス・ポエジー
トニー・シャルーブ
シルヴィー・テステュー
配給
キノフィルムズ
2018年1月5日(金)、TOHOシネマズ シャンテ ほか全国ロードショー
© Final Portrait Commissioning Limited 2016
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