CULTURE
美術史が書き換わる!?『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界』
『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界』
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この映画は、スウェーデンの画家ヒルマ・アフ・クリントについてのドキュメンタリーですが、普段からアートに興味を持っている人でない限り、ヒルマ?それって誰ですか?という反応だと思います。けれど、こんなに凄い抽象画家がいたなんて!と驚くはず。刺激を受けるはずです。
そもそも抽象画とは、幾何学的、有機的形態を用い、形と色を自立的に扱って、自然界とは別個の効果を現そうとする絵画のこと。美術史的には、ヴァシリー・カンディンスキー、ピエト・モンドリアン、カジミール・マレーヴィチらが創始したと言われています(資料:広辞苑より)。
ヒルマ・アフ・クリントが生まれたのは1862年。スウェーデン王立美術院で美術を学び、卒業後は、当時の女性としては珍しい職業画家として伝統的な絵画を描き、成功を収めていました。彼女が描く抽象画は革新的なものであったのに、美術史に刻まれることはなかった。そして、自身の死後20年間は作品を世に出さないようにと言い残し、1944年にこの世を去った。
月日は流れ、ヒルマ・アフ・クリントの絵画が発見されます。2019 年にはニューヨークのグッゲンハイム美術館で回顧展が開催され、来場数は同館史上最高の約60 万人!大きな話題となりました。また、ヒルマの存在に注目が集まることで、抽象絵画の誕生の歴史が書き換えられるかもしれない、という大変な事態にもなった。というのも、ヒルマが最初に描いた抽象画は1906~1907 年にかけてであり、カンディンスキーよりも以前に描いていたことになるからです。
なぜ、ヒルマは美術史から拒絶されたのか、どうやって発見されたのか、彼女が遺した抽象画の価値は……いくつもの疑問を追いかけたのが、このドキュメンタリーです。キュレーター、美術史家、科学史家、遺族などの証言と、彼女が残した絵と言葉から、その謎が解き明かされていきます。
驚きと発見度 |
★★★★☆
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ヒルマの絵画が素敵度 |
★★★★★
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抽象画への興味度 |
★★★★☆
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監督
ハリナ・ディルシュカ
撮影
アリシア・パウ、ルアーナ・ニッファー
編集
アンチェ・ラス、マリオ・オリアス、ハリナ・ディルシュカ
出演
イーリス・ミュラー=ベスターマン、ユリア・フォス、ジョサイア・マケルヘニー、ヨハン・アフ・クリント、エルンスト・ペーター・フィッシャー、ペトラ・ファン・デル・フォールト
配給
トレノバ
4月9日より、ユーロスペースほか全国順次ロードショー!
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