CULTURE
本当の美しさって?『MISS ミス・フランスになりたい!』
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『MISS ミス・フランスになりたい!』
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「あなたの夢は何ですか?」と聞かれて、即答できる人はどのくらいいるでしょうか。幼い頃は「○○になりたい!」と自分の夢をはっきりと言えたのに、大人になると「夢を持ったって……」抱くことすらしなくなっている、かもしれません。
今回ピックアップした『MISS ミス・フランスになりたい!』は、夢があるっていいよね! その夢に向かって挑戦するって素敵だよね! そんな感情がわき起こる映画です。
9歳の美少年アレックスの夢は「ミス・フランスになること」でした。けれど、クラスメイトに冷やかされて夢を封印。さらに両親を事故で亡くして以来、心に傷を抱えたまま生きてきましたが、大人になったある日、幼なじみと再会します。彼が自分の夢を叶えていることに触発され、自分がかつて抱いていた夢を思い出すのです。
そして、周囲の人たちの力を借りながら、アレックスは「ミス・フランス」コンテストに挑戦することに。でもちょっと待って、男性は参加できるの? という疑問もあるでしょうけれど、それは凝り固まった概念で──。本当の美しさって? 美しさの定義は何なのかを突き付けられるのです。
この題材に挑んだルーベン・アウヴェス監督はこう言っています。
「この映画は、政治的な映画ではありません。ミス・フランスを批判する映画でもありません。批判しているのは、“美の独裁”です。さらに、男性と女性という2つの視点からしか捉えられていなかった世界を壊して、作品に現代性を吹き込むことはとても楽しいことでした」
夢を叶えるために頑張るという普遍的なテーマと、多様性、ジェンダー、ルッキイズムなど、いまこの時代に問われているテーマが備わった映画なのです。
私たちにさまざまな気づきを与えてくれる主人公アレックスを演じるのは、アレクサンドル・ヴェテール。俳優になる以前はジャン=ポール・ゴルチエのレディース・コレクションに出演、モデルとして活躍していました。そんなアレクサンドルとの出会いによって、監督が長年あたためてきた〈アイデンティティについて語りたい〉という企画は、ミス・フランスを夢みる少年の物語として実現したのです。
私の夢って何だろう? 多様性ってそういうことなのか! と気づかせてくれるのはもちろん、とにもかくにもアレックスがとても美しいのです。
| チャレンジ度 |
★★★★★
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| 国際色豊か度 |
★★★★☆
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| 美の概念が変わる度 |
★★★★☆
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監督・原案・共同脚本
ルーベン・アウヴェス
出演
アレクサンドル・ヴェテール イザベル・ナンティ パスカル・アルビロ ステフィ・セルマ
2/26(金)シネスイッチ銀座ほか全国公開
(C)2020 ZAZI FILMS – CHAPKA FILMS – FRANCE 2 CINEMA – MARVELOUS PRODUCTIONS
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