CULTURE
ドランがレオに憧れて生まれた物語『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
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『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
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グザヴィエ・ドランの映画って、どうしてこんなにも心を奪われて、こんなにも心に刻みつけられるのでしょう。ドランの映画はきっと今回も感動できるはずだと、こちらの期待値ははじめから高いというのに、それを軽く越えてきて、「はい、どうぞ」って感動を手渡しされるような、そんな感覚といえば、どれだけ響く映画なのか伝わるでしょうか。
『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』は、ドランの7本目の監督作品です。19歳の時に監督・主演・脚本・プロデュースをした半自伝的なデビュー作『マイ・マザー』が国際的に高い評価を得て、前作『たかが世界の終わり』はカンヌ国際映画祭グランプリに輝き、それからそれから……デビューから10年にわたる活躍については公式サイトのプロフィールでチェックしてもらうとして、とにかく新作を発表するごとに注目される俳優にして監督です。
ドランがこれまでに描いてきたのは、母と子について、愛について、自分自身について──1作でも観たことのある人は彼が紡ぎ出す世界の虜になって、すべてを観たくなる。一方で「なんか、難しそう……」とか、映画に詳しくないと「楽しめないかも……」という、敷居が高いイメージもあるかもしれない。でも! 『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』は万人に届く設定になっています。
というのは、誰にでも憧れのスターの1人や2人、いますよね? いましたよね? この映画は、人気俳優のジョン・F・ドノヴァン(キット・ハリントン)の突然の死から物語が始まります。ジョンがどんな人物だったのかを語るのは、ジョンのことが大好きで、彼と秘密の文通をしていた少年ルパート(ジェイコブ・トレンブレイ)。2人の手紙から事実が明らかになっていきます。
面白いのは、その設定の背景にはドラン自身の幼い頃の経験がヒントになっていること。当時8歳のドラン少年は『タイタニック』に出ているレオナルド・ディカプリオに夢中で、彼に手紙を書いた──そこからこの物語が生まれたのです。
そしてスターへの憧れという普遍的な入口から、人と人とのつながりをこんなふうに描くのね! というなんともユニークな切り口で描いていく。やっぱりグザヴィエ・ドランって凄いなあと、惚れ直してしまうのです。もちろん! 彼の作品はまだ……という人にもオススメです。
| 演技派が揃ってる度 |
★★★★★
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| 演技派が揃ってる度 |
★★★★☆
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| 母と子の愛の物語度 |
★★★★☆
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監督・脚本・編集・プロデューサー
グザヴィエ・ドラン
出演
キット・ハリントン
ナタリー・ポートマン
ジェイコブ・トレンブレイ
スーザン・サランドン
キャシー・ベイツ
配給
ファントム・フィルム
3月13日(金)より、新宿ピカデリー他全国ロードショー
©2018 THE DEATH AND LIFE OF JOHN F. DONOVAN INC., UK DONOVAN LTD.
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