CULTURE
心をわしづかみにする北欧ミステリー『ボーダー 二つの世界』
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『ボーダー 二つの世界』
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その映画のどこに興味を持ち観るきっかけになるのかは作品によっていろいろだと思います。『ボーダー 二つの世界』の場合は、スウェーデン映画『ぼくのエリ 200歳の少女』を観たことがあって、その世界観や物語が好きな人であるなら、この『ボーダー 二つの世界』もきっと気に入るはず! というのも、両作品とも原作はスウェーデンのスティーブン・キングと言われているヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストの小説が原作だからです(映画では原作兼共同脚本)。
『ぼくのエリ 200歳の少女』は、永遠に生き続けるヴァンパイアの少女と、彼女に恋をした孤独な少年の交流を描いたホラー&ロマンス。ヴァンパイアというファンタジックな存在を日常のなかで何とも生々しくかつ美しく映し出しているところが特徴的でした。
今回の『ボーダー 二つの世界』の主人公は、心を嗅ぎわける特別な才能を持ったティーナです。自分の才能を生かして税関に勤める彼女は、違法な物を持ち込む人間を見つけ出すことが仕事です。ある日、怪しい旅行者ヴォーレと出会い、本能的に何かを感じて彼に惹かれていきますが、ヴォーレとの出会いによってティーナの出生の秘密が明らかになり……。
本作は、カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でグランプリを受賞するなど各国の映画祭を席巻すると同時に、あるシーンが「ショッキング過ぎる」と話題に。たしかに衝撃的です。その衝撃的なシーンを含めて、この物語をどう受け止めたらいいのか困惑するかもしれません、観終わった後に呆然としてしまうかもしません。でも、それは抱えきれないほどの感動を味わえている証でもある。
私たちが生きるこの世界には、国と国との境界線をはじめ、自分と他人の間にあるボーダー、道徳観や善悪の基準となるボーダー、さまざまなボーダーが存在しますが、この映画は、そういったあらゆる境界線に疑問を持ち、最終的には自分自身のアイデンティティについて考えさせてくれる。おとぎ話のようでもあり、サスペンスでもあり、ラブストーリーでもあり、そしてとにかく衝撃的! 心をわしづかみにされる映画です。
| ティーナの心の美しさ度 |
★★★★★
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| 特殊メイクがスゴい!度 |
★★★★★
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| 出会ったことのない映画度 |
★★★★★
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監督・脚本
アリ・アッバシ
原作・脚本
ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト
出演
エヴァ・メランデル
エーロ・ミロノフ
配給
キノフィルムズ
10月11日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町・ヒューマントラストシネマ渋谷ほ
か全国ロードショー
©Meta_Spark&Kärnfilm_AB_2018
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