CULTURE
定番を壊してくるロマンス・スリラー『愛はステロイド』
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『愛はステロイド』
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アメリカ映画において犯罪とロマンスの組み合わせは定番で、様々な犯罪者カップルが描かれてきました。物語の展開や俳優が異なれば、定番の組み合わせも面白くなりますが、何か似ている……という既視感は少なからずあるものです。
『愛はステロイド』もそのど真ん中の映画ではあるのですが、定番要素がしっかりと組み込まれているのに、この手のタイプはこれまでなかった! と、新しい世界を作り出しています。
主人公は、町のフィクサーを⽗に持つルーと、流浪のボディビルダー、ジャッキー。
ニューメキシコ州の田舎町、トレーニングジムのスタッフとして単調な日々を過ごしていたルーの生活を変えたのは、ラスベガスで開催されるボディビル⼤会に出場するため、オクラホマから経由地として町に立ち寄ったジャッキーでした。
ジムで起きたとあるトラブルで、ジャッキーを介抱したルーは、泊まる場所のないジャッキーを自宅に泊めることに。そこから二人は急接近、愛を深めていきます。しかし、ルーの姉ベスに降りかかった惨事をきっかけに、ルーの⽗親やFBIから追い詰められ、逃避行が始まります。
この映画の何が新しいのか──。まず、ルーとジャッキーのペアです。⽗親を嫌悪しながらもその影響下から逃れられない⼥性・ルーを演じるのは、クリステン・スチュワート。そして、彼⼥のパートナーとなるジャッキーに抜擢されたのは、クリステンと同じくクィアであることを公表している元ボディビル選⼿ケイティ・オブライアン。
そんな二人の共演と、ボディビルという競技が映し出す視覚的な美しさ、二人が恋に落ちたことで映し出される内面の繊細さ、そして二人が犯してしまう罪……。ノワール、ラブストーリー、スリラー、ユーモアが組み合わさっているだけでなく、クライマックスに用意された、愛する人を守るための描写に驚くこと間違いなしです。
| 80年代ファッション度 |
★★★★☆
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| 想像を超える変身!?度 |
★★★★★
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| スタジオA24の挑戦度 |
★★★☆☆
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監督・脚本
ローズ・グラス
共同脚本
ヴェロニカ・トフィウスカ
出演
クリステン・スチュワート
ケイティ・オブライアン
エド・ハリス
ジェナ・マローン
配給
ハピネットファントム・スタジオ
2025年8月29日(金)より全国にて絶賛公開中
Ⓒ2023 CRACK IN THE EARTH LLC; CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED
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