CULTURE
吉沢亮のさらなる新境地!『ババンババンバンバンパイア』
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『ババンババンバンバンパイア』
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美しさは、時に、その人の才能を掠(かす)めてしまうことがあります。俳優の場合、美形であることで注目は集まる一方、実力派としては見られづらいこともある。たとえば、ブラッド・ピットやキアヌ・リーブス、ジョニー・デップ。彼らがキャリアの中で、あえて歪んだ役に挑んできたのは、美しさを壊すことで自由になり、俳優としての深みを追求している──そんなふうにも捉えられます。
吉沢亮も、正統派の二枚目です。先に公開された『国宝』では、任侠の家に生まれた主人公が歌舞伎の世界で成長し、“国宝”と称される俳優になるまでを演じきり、美しさと色気を超える入魂の演技を見せてくれました。
『国宝』の印象を抱いたまま新作『ババンババンバンバンパイア』を観ると、そのギャップに驚かされます。しかし、そもそも吉沢亮は以前から『男子高校生の日常』『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』など、実は、クセのある役にも数多く挑んできました。そんな彼が、もともと持っていたコメディの素質をさらに開花させて挑んだのが、とびきり振り切ったこのバンパイア映画。おお! ここまで振り切れるのか! と思わず唸ってしまう、突き抜けた演技に圧倒されます。
主人公は、450歳のバンパイア・森蘭丸(吉沢亮)。彼が好むのは“18歳童貞の血”。銭湯「こいの湯」で住み込みのバイトをしながら、銭湯のひとり息子・李仁の成長と“純潔”をそばで見守る日々を送っています。ところが、15歳になった李仁(板垣李光人)はクラスメイトの葵(原菜乃華)に一目惚れ。恋が実れば、童貞喪失の危機! 蘭丸は、李仁に恋をさせまいと「童貞喪失阻止作戦」を開始しますが、なんと葵はバンパイアオタクで蘭丸に恋をしてしまい、三角関係に! さらに、バンパイアハンター・坂本(満島真之介)、脳筋番長フランケン(関口メンディー)、蘭丸の兄・長可(眞栄田郷敦)が登場し、物語は一気にカオスな展開へ。
「こんな一面もあったのか!」──そんな、もっと新しく、もっと意外な吉沢亮に出会える映画『ババンババンバンバンパイア』。何より、めちゃくちゃ楽しい! のです。
| 振り切り度 |
★★★★☆
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| ときめき度 |
★★★☆☆
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| ギャグ度 |
★★★☆☆
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原作
奥嶋ひろまさ『ババンババンバンバンパイア』(秋田書店「別冊少年チャンピオン」連載)
監督
浜崎慎治
脚本
松田裕子
出演
吉沢亮
板垣李光人
原菜乃華
関口メンディー
満島真之介
堤真一
音尾琢真
映美くらら
笹野高史
眞栄田郷敦
配給
松竹
2025年7月4日(金)より全国公開
Ⓒ2025「ババンババンバンバンパイア」製作委員会
Ⓒ奥嶋ひろまさ(秋田書店)2022
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