CULTURE
待ってました!ポン・ジュノ監督の最新作『ミッキー17』
『ミッキー17』
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好きなことは何度も経験したいし、嫌なことはなかったことにしたい。ゲームをリセットするかのように人生もリセットできるとしたら? ある方法で何度も生まれ変われるとしたら? どうする?
『パラサイト 半地下の家族』(2019年)で、世界を沸かせた(※)韓国のポン・ジュノ監督。次はどんな映画で楽しませてくれるのか、新作を待ちわびている人、多いと思います。
新作『ミッキー17』の主人公は、タイトルにもなっているミッキー(ロバート・パティンソン)。“17”という数字は、彼が生まれ変わった回数で、ミッキー17号という意味です。
なぜ、17号? もともと人生失敗だらけのミッキーは、ある日、一発逆転のため“夢の仕事”に申し込みますが、よく読まずにサインした契約書の内容は、超過酷な仕事でした。それは、身勝手な権力者たち(マーク・ラファロ、トニ・コレット)の業務命令で、次々と死んでは生き返る仕事。使い捨てワーカーだったのです。
ミッキーが生き返る方法は、人体複製(プリンティング)。何ともユニークな設定です。まるでコピー機で紙を印刷するように、ミッキー役のロバート・パティンソンが、いとも簡単に複製されるシーンは、なかなかの衝撃!
ちなみにポン・ジュノ監督も原作小説を読んだとき、人体複製の概念がユニークで、かつ悲劇性が宿っていると感じ、「もし自分が印刷される側の人間だったら、どんな気持ちだろう?」と考え、世界観に引き込まれていったそうです。私たちも同様に映画を見ながら、自分がミッキーだったら? と想像すると思います。
そして、ミッキー17号の前に、もう一人のミッキーが現れ、そこからミッキーの反撃がはじまり……。
映画の内容は、できるだけバラさないに越したことはないのですが、この『ミッキー17』は、まだまだびっくり! なことが待ち構えているので、死んでは生き返る仕事も、人体複製も、ほんの入口。やっぱりポン・ジュノ監督ってすげー! となる。これまでのポン・ジュノ作品を観てきた人にとっては、彼の(現時点での)集大成だなと思える映画です。
最後に、ポン・ジュノ監督のメッセージを記しておきます。
「映画を観終わった後に、『人間とは何か』『人間らしく生きるためには何が必要か』について、ほんの少しでも考えてもらえたら嬉しいですね。3分くらいでいいので(笑)」(ポン・ジュノ監督)
※第72回カンヌ国際映画祭では韓国映画初となるパルム・ドールを受賞。第92回アカデミー賞では作品賞を含む6部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の最多4部門を受賞。
ポン・ジュノ監督すげー!度 |
★★★★★
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R・パティンソンに惚れ直す度 |
★★★★★
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共演者の演技も光ってます度 |
★★★★★
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監督
ポン・ジュノ
出演
ロバート・パティンソン
ナオミ・アッキー
スティーブン・ユァン
アナマリア・バルトロメイ
トニ・コレット
マーク・ラファロ
パッツィ・フェラン
キャメロン・ブリットン
配給
ワーナー・ブラザース映画
2025年3月28日(金)より公開 4D/Dolby Cinema/ScreenX/IMAX 同時公開
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