CULTURE
もっと自由に生きていい『ケナは韓国が嫌いで』
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『ケナは韓国が嫌いで』
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生まれ育った韓国が「嫌い」だと言って、ある日、韓国を飛び出しニュージーランドへ旅立つケナ(コ・アソン)。
ケナが韓国を嫌いな理由は、日本人にも当てはまることだと思います。彼女にとってのその理由とは──毎日2時間かけて通勤していること、仕事にやり甲斐を感じているわけじゃないこと、恋人はいるけれど実家の格差を感じていること、先進国の中で自殺率トップなこと。だから、未来がないから韓国を出るのだと──。
仕事や家族、恋人、故郷を手放し、成功と幸せを求めてニュージーランドに移住したケナの生活を描きながら、時々かつての韓国での生活を回想しながら、彼女の“いま”を映し出していきます。
決して運命的な出来事を経験するわけではないけれど、環境が変わることで、それまでグレーだった色がカラフルに映ることだってある。最初は一人ぼっちでも、何かのタイミングで友だちだってできる、好きな人にも出会える。
最初は、嫌いだからってそんな漠然とした理由で? 海外へ行ったからといって解決するとは限らないんじゃない? と思いますが、決断して行動するケナを見ていると、そうだね、いま居る場所を好きになれないのであれば、離れたらいいよね。だって世界は広いんだから! とも思う。
ここではない何処かを漠然と探し求めたっていい、どこかにある自分の居場所を探しながら生きてもいい。ケナという20代後半の一人の女性の生き方、それはとても小さな物語ですが、きっと多くの人が共感するという点では大きな物語。
境界線をつくっているのは誰でもない自分だけれど、そんな見えない境界線を取り除いてくれる力がこの映画にはある。「嫌い」の先に「好き」を見出せる映画です。
| その気持ち、わかるわ〜度 |
★★★★☆
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| 旅に出たくなる度 |
★★★★☆
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| 自分の幸せは何かを考える度 |
★★★★☆
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監督・脚本
チャン・ゴンジェ
出演
コ・アソン
チュ・ジョンヒョク
キム・ウギョム
イ・サンヒ
オ・ミンエ
パク・スンヒョン
配給
アニモプロデュース
2025年3月7日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネ・リーブル池袋ほか全国公開
Ⓒ2024 NK CONTENTS AND MOCUSHURA INC. ALL RIGHTS RESERVED.
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