CULTURE
真っ直ぐな恋をそう描くのか!?という驚き『不死身ラヴァーズ』
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『不死身ラヴァーズ』
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主人公の「好き!」という気持ちが、冒頭からどかんと溢れて出ているこの映画、エネルギーの放たれ方があまりにも強すぎて、「自分はこの展開についていけるのか?」と面食らうってしまう人もいるかもしれません。
でも!その面食らっちゃうエネルギーがまさにこの映画の核となっているのです。松居大悟監督の「恥ずかしげもなく、誰かのことを“好き”と言う気持ちを肯定したい」という言葉からも伝わってくるように、長谷部りの(見上愛)は、甲野じゅん(佐藤寛太)を「運命の相手」だと信じて追いかけていく、りのの「好き」が描かれます。
とは言っても、単に「好き」な気持ちを描いただけでは、普通のラブストーリーで終わってしまう。この『不死身ラヴァーズ』が面白いのは、両想いになった瞬間にその人が、好きな人が、この世界から忽然と消えてしてしまうこと。
えっ、消えるってどういうこと? 理解するのに少々時間のかかる設定ではありますが、消えてもまた出会って、両想いになるとまた消えてを繰り返していくので、あっそういうことね!と早々に理解の境地にたどり着きます。そして、それを乗り越えるのが二人の恋に与えられた壁なのね!って、いつの間にか二人の恋を応援しているはずです。
ところが!両想いになると消える設定の先に、さらに仕掛けがあって……それに関しては、映画を観て「そういうことか!」と驚いてほしいので言及しませんが、その仕掛けが実に巧いのです。恋にまつわる感情や思考や行動をそんなふうに描くのかと唸ってしまう。
もちろん、同名漫画の映画化なので原作を知っている人は仕掛けを知っているわけですが、映画では原作と男女が逆転していたり、ラストシーンも違ったり、映画ならではのキャラクター設定もあったり、まったく同じではないからこそ、仕掛けを知っていても新鮮な視点があるのではないかと思います。
誰かを「好き」だと思う気持ちは、何度「恋」を経験したとしても完璧には解明できなくて、解りそうで解らないからこそ自分以外の恋も気になるし、そこから何かをつかみ取ろうとするのかもしれません。恋ってなんなんだ、でも恋っていいよな、好きな人がいるって素敵だな、幸せだな、そんなふうに恋のあれこれを考えたくなる映画です。
| 恋したくなる度 |
★★★☆☆
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| 恋のせつなさ度 |
★★★☆☆
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| 恋のエネルギー度 |
★★★★☆
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監督
松居大悟
脚本
大野敏哉
松居大悟
出演
見上愛
佐藤寛太
落合モトキ
大関れいか
平井珠生
米良まさひろ
本折最強さとし
岩本晟夢
アダム
青木柚
前田敦子
神野三鈴
配給
ポニーキャニオン
5月10日(金)よりテアトル新宿ほか全国ロードショー
Ⓒ2024「不死身ラヴァーズ」製作委員会Ⓒ高木ユーナ/講談社
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