CULTURE
このデザイナーの追求心に惚れる!『ファッション・リイマジン』
『ファッション・リイマジン』
服を買うときの決め手は何ですか?デザイン、ブランド、価格、流行、一点物など、人それぞれその時々で異なると思います。
『ファッション・リイマジン』は、ファッションにおけるサステナビリティーと向きあわせてくれるドキュメンタリー。この映画を観ると、先に挙げた決め手のほかに、服の素材、紡績工場、労働環境……何処でどんなふうに作られているのかを気にかけるようになるはずです。
ドキュメンタリーの中心にいるのは、エイミー・パウニー。イギリスのブランド「Mother of Pearl(MOP)」のクリエイティブ・ディレクターです。2017年の英国最優秀新人デザイナー賞を受賞したエイミーは賞金の10万ポンドで、「MOP」をサステナブルなブランドへと変える新しいライン「No Frills(飾りは要らない)」を立ち上げることを決意。コレクション発表までの準備期間18ヶ月をカメラが追いかけます。
ファッション界は華やかである一方、最も環境に悪い産業のひとつでもあると言われています。毎年作られる服の数は千億単位。その5分の3が、購入した年に捨てられる。それは「ナンセンス」だとエイミーは伝えます。また、海洋マイクロ・プラスチックごみの35%が、合成素材の衣類の洗濯が原因など、ファッション業界にまつわる衝撃の現実も明かされます。
そういった問題に取り組むために、エイミーが求めたのは、追跡可能な原材料。オーガニックで、化学物質は最小限に押さえ、最小限の地域で生産しているものです。サステナブルな原材料を探し求める旅のなかで、私たち自身もまたファッションにおけるサステナビリティーとは何か、購入者として何ができるのか、何が必要なのかを考えさせられます。
自分の着ている服について、表面的なブランド情報だけでなく、その服がどういう経路をたどってきたのかを知る、知ったうえで買うことは、とても大事なこと。また、困難にぶつかっても諦めずに理想を追求し、最終的には先駆者としての地位を確立、ムーブメントを起こす、そんなエイミーのサステナビリティへの取り組みやデザイナーとしての姿勢に心を動かされるのです。
服を買うときの視点が変わる度
★★★★★
ファッション業界の衝撃の真実度
★★★☆☆
MOPの服が欲しくなる度
★★★★☆
監督
ベッキー・ハトナー
出演
エイミー・パウニー
クロエ・マークス
ペドロ・オテギ
配給
フラッグ
9月22日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
Ⓒ2022 Fashion Reimagined Ltd
VIDEO
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