CULTURE
可愛くて奥深いモキュメンタリー『マルセル 靴をはいた小さな貝』
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『マルセル 靴をはいた小さな貝』
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主人公マルセルは、2.5センチの小さな貝です。2.5センチ!? そのサイズから、小さな世界のお話なのかな?と思いますが、マルセルが祖母のコニーと暮らしているのは、人間仕様の一軒家。ある日、映像作家のディーンがその家に越してきたことで、マルセルの人生は大きく動き出します。
この映画の面白いところは、映画を観るまでは何の変哲もなかった自分の周りが、観た後は、どこかにマルセルたちがいるかも!と思えるようになること。そして、とっても温かい気持ちになれること。
温かさのなかには、生きていくって大変だよね、哀しいこともあるよね、時には勇気も必要だよね、でも発見もあるよね……人生における色々な気づきがあって。かわいいだけじゃない、実はとっても深いテーマが描かれている映画でもあるんです。
そもそもこの映画はどうやって生まれたのか。遡ること十数年前。YouTubeにその始まりはありました。2010年から2014年にかけてYouTubeで順次公開され、累計5000万回再生を記録した短編作品を長編映画化したものなんです。ただ、映画化といっても道のりは長くて──。この長編映画にかかった歳月は7年!
実写映像とストップモーションを組み合わせ、しかも監督自身が本人役で出演しています。フィクションですが、マルセルと監督のやりとりはドキュメンタリーのようでもあって。だからこそ、自分の周りにもマルセルがいるかもしれない、いたらいいなと思う。
マルセルは2.5センチのちっちゃな貝ですが、ひとつの存在としては、マルセルも私たちも同じ。その視点って、すごく大事だと思うんです。とにもかくにも、可愛いです、温かいです、奥深いです!
| 可愛い度 |
★★★★★
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| 温かい度 |
★★★★★
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| 奥深い度 |
★★★★★
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監督
ディーン・フライシャー・キャンプ
脚本
ディーン・フライシャー・キャンプ
ジェニー・スレイト
ニック・パーレイ
出演
ジェニー・スレイト
イザベラ・ロッセリーニ
ディーン・フライシャー・キャンプ
配給
アスミック・エース
新宿武蔵野館・渋谷ホワイト シネクイントほかにて全国公開中!
Ⓒ 2021 Marcel the Movie LLC. All Rights Reserved.
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