CULTURE
坂口健太郎の新しい魅力に触れる『サイド バイ サイド 隣にいる人』
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『サイド バイ サイド 隣にいる人』
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タイトルにある“サイド バイ サイド(隣同士で/一緒に)”という言葉からどんな物語を想像するでしょうか。実際に映画を観ると──
ある人は、見えるものと見えないものの話だと捉えるかもしれない。ある人は、人を癒す力を持った主人公の旅だと捉えるかもしれない。ある人は、誰にでも過去があって、その過去と向き合う話だと捉えるかもしれない。
さまざまな捉え方がある、さまざまな視点がある。観る人がいまどんな環境で生きているのかによって、受け取るものは違ってくると思うのです。それがこの作品の魅力でもあります。しかもリアルとファンタジーが混在するマジックリアリズムが息づいている。
この映画は、『ひとりぼっちじゃない』で監督デビューを果たした伊藤ちひろによるオリジナルストーリー(監督・脚本・原案)。『世界の中心で、愛をさけぶ』をはじめ、行定勲監督作品の脚本を数多く手がけてきた人です。
伊藤監督が『サイド バイ サイド 隣にいる人』を紡ぎ出すきっかけのひとつとなったのは、『ナラタージュ』でも仕事をしている坂口健太郎さん(当時、伊藤監督は“堀泉杏”名義で脚本を担当)。「純粋に坂口健太郎くんを撮ってみたい──」という想いがベースにあるそうです。
「どういうふうに彼を撮ったら、より魅力的になるのかというのを考え、脚本を書きました。今まで見せたことのない坂口健太郎であることが重要でしたので、彼の整った特別で神秘的なビジュアルを生かし、彼でなければ演じられないものにしようと思いました」
そう語るように、たしかに坂口さんの魅力があふれています。坂口さんがもともと持っているものと、未山を演じることで生み出されるものと、観る者が各々に想像する坂口健太郎像。それらが、みごとに混ざり合って未山というキャラクターを形成している。そして、もしかしたら自分の前にも未山は現れるかもしれない、隣にいるかもしれない──とも想像する。
自分はどんな視点でこの映画を観るのか、どんな捉え方をするのか、描かれる美しさにどう触れるのか。小さな発見の連続が待っています。
| 伊藤ちひろ監督の才能発見度 |
★★★★★
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| さまざまな美しさを感じる度 |
★★★★☆
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| 何とも言えないやさしさ度 |
★★★★☆
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監督・脚本
伊藤ちひろ
出演
坂口健太郎
齋藤飛鳥
浅香航大
磯村アメリ
市川実日子
配給 ハピネットファントム・スタジオ
4月14日 (金)
TOHOシネマズ 日比谷ほか
全国ロードショー
Ⓒ2023『サイド バイ サイド』製作委員会
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