CULTURE
豪華客船から無人島へ、人生で必要なものは何?『逆転のトライアングル』
『逆転のトライアングル』
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自分は何者であるのか──良くも悪くも、日々の生活のなかで、私たちは自分の位置を突き付けられるものです。そんなの気にしないわと思っていても、たとえば、新幹線や飛行機のチケットひとつとっても、自分がどのランクを選ぶのかでヒエラルキーを感じる、ことだってあります。
今回ピックアップした映画『逆転のトライアングル』のトライアングルとは、まさにヒエラルキーを表した三角形を指していて。えっ、大胆なネタバレ?とも思えますが、何らかの形でヒエラルキーが逆転すると分かっていても、分かっているからこそハラハラドキドキさせられる。相変わらずこの監督の紡ぐストーリーは凄いなぁと、唸ってしまうのです。
“この監督”とは、スウェーデンの鬼才リューベン・オストルンドのこと。初めて名前を知る人もいると思いますが、2014年に『フレンチアルプスで起きたこと』で、カンヌ国際映画祭ある視点部門審査員賞を、2017年に『ザ・スクエア 思いやりの聖域』で、同映画祭最高賞であるパルムドールを受賞、2022年に本作『逆転のトライアングル』で再びパルムドールを受賞しています。
この映画では、どんなヒエラルキーが描かれるのか。モデルで人気インフルエンサーのヤヤと男性モデルのカール、二人は豪華客船の旅に招待されます。乗客は驚くほどリッチな人たち、でもクセモノばかり。旅は順調のはず……でしたが、船は嵐に遭遇し、海賊に襲われ、あっけなく難破してしまうのです。
そして、無人島にたどり着きます。いつ助けがくるかも分からないなかで、無人島で生き抜くために必要なのは、お金でもない、肩書きでもない、サバイバルのスキル。はい、ヒエラルキーがひっくり返ります。船のトイレ清掃係だった女性が「ここでは、私がキャプテンよ」と、まるで女王のように君臨していくのです。
リューベン・オストルンド監督の作品は、過去作もそうですが、とにかく人間の本性を炙り出していくのがとても上手いのです。ブラックユーモアとして笑えるけれど、もしも自分だったら……と考えると恐ろしくもなる。人間の見えない部分、その人の本性が見える瞬間を目撃しちゃってください。
人間の本性見ちゃいました度 |
★★★★★
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後半からぐんと面白くなる度 |
★★★★☆
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監督の過去作も見たくなる度 |
★★★★☆
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監督
リューベン・オストルンド
出演
ハリス・ディキンソン
チャールビ・ディーン
ドリー・デ・レオン
ウディ・ハレルソン
配給 ギャガ
2月23日 (木・祝) TOHOシネマズ日比谷他全国ロードショー
Fredrik Wenzel
ⓒ Plattform Produktion
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