CULTURE
とってもキュートなアイルランド映画『恋人はアンバー』
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『恋人はアンバー』
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日常のなかで、多様性(ダイバーシティ)という言葉がよく飛び交うようになりました。年齢、性別、国籍……さまざまな多様性がありますが、多様性が注目される背景には、自分と違うことを否定するのではなく受け入れることが大切だよね、そんなメッセージがあると思っています。
アイルランドから届いた青春映画『恋人はアンバー』にも多様性が組み込まれています。主人公は、自身がゲイであることを受け入れられない高校生・エディ(フィン・オシェイ)と、レズビアンであることを隠しているクラスメイトのアンバー(ローラ・ペティクルー)。
現代の多様性の視点でみたら、エディもアンバーも自分らしくあればいいんじゃない?自由に生きたらいいんじゃない?って思いますが、それは時代と場所によります。というのは、アイルランドでは1993年まで同性愛は違法とされていたのです。
この物語の舞台は、同性愛が違法ではなくなってから2年後、1995年のアイルランドです。エディとアンバーが暮らすのは、差別や偏見が根強く残る田舎町。彼らは、自分たちのセクシャリティを悟られないように、バレることなく卒業を迎えたいと高校生活を送っていました。けれど、十代は多感な年代。キスの経験があるとかないとか、恋人がいるとかいないとか、何かと問題は山積みで──。
そこで思いついたのが、“ニセモノの恋人”として過ごすこと!性格も趣味もまったく違うけれど、お互いに本当の自分をさらけ出せる唯一の相手でもあって、2人はかけがえのない存在になっていきます。
青春映画と言われる映画の多くでは、恋愛や友情、何かを乗り越えて芽生える絆などが描かれますが、エディとアンバーが抱えるセクシャリティの話を通して見えてくるのは、こんな青春の描き方もあったのね!という新鮮な関係性です。可愛くて、痛くて、可笑しくて、強くて、優しくもある、そんな恋人以上の関係性に、惚れてしまうのです。
| 友情度 |
★★★★★
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| 恋愛度 |
★★★☆☆
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| 成長度 |
★★★★☆
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監督・脚本
デイヴィッド・フレイン
出演
フィン・オシェイ
ローラ・ペティクルー
シャロン・ホーガン
バリー・ワード
シモーヌ・カービー
配給
アスミック・エース
11月3日(木・祝)絶賛上映中!
ⓒAtomic 80 Productions Limited/ Wrong Men North 2020, All rights reserved.
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