CULTURE
人間とはAIとは何かを考える『アフター・ヤン』
『アフター・ヤン』
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気づけば、私たちの日常は人工知能(AI)であふれています。いまはまだ便利なツールのひとつですが、やがてAIが進化していくその先には、映画やドラマ、小説、漫画などで描かれているような、人間とAIの区別がつかなくなる世界、そんな未来が待っているかもしれません。
AIが当たり前になった近未来の世界は、映画でも数多く創られてきました。たとえば、有名どころで言うなら──『ターミネーター』や『マトリックス』シリーズは人間と人工知能の対立を描き、『A.I.』『her/世界でひとつの彼女』『エクス・マキナ』などは人間とAIと感情(=愛)を問いかけています。
今回ピックアップした『アフター・ヤン』は、対立ではなく共存で、人間と何ら変わりない外見を持つ“テクノ”と呼ばれる人型ロボットのヤンと、彼が一緒に暮らす家族との絆を描いたヒューマン・ドラマです。
茶葉の販売店を営むジェイク、妻のカイラ、中国系の幼い養女ミカ、そしてロボットのヤン。多様性が伝わってくる家族構成もこの映画のテーマのひとつだと思います。そんな彼らは、家族として慎ましくも幸せな日々を送っていましたが、ある日、ヤンが故障で動かなくなります。
新しいロボットに買い替えるのではなく、できることなら修理をしてまたヤンと暮らしたい。ジェイクは、修理方法を模索するなかでヤンの体内に記録されていた膨大な数の映像を見つけて……。
見た目はまるで人間であるAIロボット。この映画を通じて考えさせられるのは、人間とAIロボットの違いは? 記憶と記録の違いは? 感情はどこから生まれるのか? これまでにも語れてきたであろう普遍的な問いかけです。時代が変わりゆく今だからこそ、改めて考えてみたいテーマ。とても美しく優しい時間が流れている映画です。
映像美度 |
★★★★☆
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優しさ度 |
★★★★★
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多様性度 |
★★★★☆
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監督・脚本・編集
コゴナダ
出演
コリン・ファレル
ジョディ・ターナー=スミス
ジャスティン・H・ミン
マレア・エマ・チャンドラウィジャヤ
ヘイリ ー・ルー・リチャードソン
配給
キノフィルムズ
10月21日(金)全国ロードショー
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