CULTURE
挑戦に満ちたパンデミック・スリラー『ソングバード』
『ソングバード』
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世界規模のパンデミック──2020年以前だったら、自分の日常とは縁がないもの、映画のなかで目にするようなもの、そんなふうに捉えていましたが、この数年でその境界線はなくなってしまいました。世界が活動を止めた2020年7月、ロックダウン下のL.A.で撮影を敢行し、生まれた映画がパンデミック・スリラー『ソングバード』です。
物語の舞台は、2024年のロサンゼルス。新型コロナウイルスは、さらに強力で致死率の高い恐ろしいウイルス「COVID 23」へと変異し、ロックダウンが4年続いている荒廃した街が映し出されます。感染した者や、感染の疑いがある者は、Qゾーンと呼ばれる隔離キャンプに強制収容されてしまうため、人々は、徹底強化されたソーシャル・ディスタンスのなかで生きています。
そんなゴーストタウンのなかで描かれるのは、長い間離れ離れになっている、ニコ(KJ・アパ)とサラ(ソフィア・カーソン)、2 人のラブストーリーです。ニコは、コロナ禍前は弁護士の補助員を務めながら学校に通っていましたが、今は、免疫者の特権を活かせるバイク便の配達員として働いています。2人が会えるのは、玄関のドア越し、スマホの画面越しだけ。直接顔をあわせて触れ合うこと、それが彼らの夢で──。
ニコとサラのラブストーリーを中心に、このパンデミックを悪用して私利私欲に走る者、何としても家族を守ろうとする者、自由を求めて危険を冒す者、大切な人のために一歩踏み出す者、また富める者とそうでない者との格差……さまざまな人間模様も描かれます。当たり前だったことが当たり前ではなくなった世界で、人はどうやって生きていくのか。映画のなかの世界が、現実の世界と遠くないからこそ、生々しいリアルが映し出されるのです。
ロックダウン下でのリアルな映像環境を組み込むため、iPhoneやGoPro 、監視用カメラを多用して撮影されていることも、この映画の特徴のひとつ。現実と地続きの世界であるけれど、映画としての新しさがある。何か新しいぞ、という感覚を味わえる映画になっています。
ラブストーリー度 |
★★★★★
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エンタメ度 |
★★★☆☆
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サバイバル度 |
★★★★☆
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監督・脚本
アダム・メイソン
出演
KJ・アパ
ソフィア・カーソン
クレイグ・ロビンソン
ブラッドリー・ウィットフォード
ピーター・ストーメア
アレクサンドラ・ダダリオ
ポール・ウォルター・ハウザー
デミ・ムーア
配給
ポニーキャニオン
10月7日(金)全国ロードショー
ⓒ2020 INVISIBLE LARK HOLDCO, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
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