CULTURE
フランスの女性監督が母に捧げた物語『マチルド、翼を広げ』
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『マチルド、翼を広げ』
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『マチルド、翼を広げ』は、見る人の感情に深く入り込む映画だ。主人公は9歳のマチルド。ごく普通の女の子に見えるが、学校に友だちはいなくて、でもすごく苛められているというわけでもなくて、孤独なはみだしガール的なキャラクター。家では情緒不安定な母親と2人暮らし。母の不甲斐なさゆえなのだろうか、家事も身のまわりのこともなんでもこなす、しっかりした女の子だ。そんな彼女の日常──問題を抱えた母と娘の厳しい現実が、お洒落なファッションやインテリアと共に映し出されていく。
決して子供向けの映画ではない。マチルドの母親は、子が親を心配するような頼りないところはあるけれど、それでもマチルドにとっては大切な存在で、母も娘も互いに愛している。愛するとはどういうことか──普遍的な問いかけや、愛にまつわるさまざまな気づきをマチルドが生きる世界から受け取るだろう。
そしてマチルドの生活を大きく変える存在、初めての友だちとなるのが、母親からの贈り物として出会うフクロウだ。手のひらに乗る小さなこのフクロウは、マチルドとだけ会話する。本当に会話しているのか、マチルドの心の声としてファンタジー的に描いているのか、捉え方は人それぞれだが、フクロウとのやりとりによってマチルドは成長していく。母娘の深い繋がり(=愛)と少女の羽ばたき(=成長)を描いた、とても素敵なフランス映画だ。
| フクロウの可愛い度 |
★★★★★ |
| 母娘の物語に感動する度 |
★★★★☆ |
| 洋服と部屋がお洒落度 |
★★★★☆ |
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監督
ノエミ・ルヴォウスキー
脚本
ノエミ・ルヴォウスキー
フロランス・セイヴォス
出演
リュス・ロドリゲス
ノエミ・ルヴォウスキー
マチュー・アマルリック
アナイス・ドゥムースティエ
配給
TOMORROW Films.
サンリス
宣伝
サンリス
2019年1月12日(土) 新宿シネマカリテほか全国順次公開
© 2017 F Comme Film / Gaumont / France 2 Cinéma
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