CULTURE
吉沢亮&杉咲花が共演の青春サスペンス『青くて痛くて脆い』
|
『青くて痛くて脆い』
|
|
タイトルで表現されているとおり、若さゆえの青さ、それによって生まれる痛み、人生経験が短いからこその脆さがジワジワと伝わってくる、その後に真実は何だったのか解き明かされて、ズドンと大きな衝撃を受ける──。この映画『青くて痛くて脆い』は、誰もが心の奥底に持っている感情を引きずり出すような、気持ちをジワジワ、グイッと動かす力のある青春サスペンスです。
主人公は、コミュニケーションが苦手で他人と距離を置いて生きる田端楓(吉沢亮)と、純粋で理想に向かって真っ直ぐに突き進んでいく秋好寿乃(杉咲花)。彼らはたった2人で秘密結社サークル「モアイ」を作り、世界を変えるという大きな目標のもと慈善活動をはじめます。モアイは、彼らにとっての居場所でもありました。
けれど、楓の前から秋好がいなくなり、2人の理想を注いだモアイは、気づけば意識高い系の就活サークル化となっていた……。
この映画の原作は「君の膵臓をたべたい」で一躍ベストセラー作家となった住野よるの第5作目となる小説。2018年の「二十歳が一番読んだ小説」に輝いているので、すでに読んでいる人もいると思います。
サスペンス映画の場合、原作を読んでいるといないとでは受け取る衝撃に差が出てくるものですが、楓役の吉沢亮さんのコメント「小説だからこそ成立しているロジックを映像的に落とし込んでいて、とても面白い作品になっている」とあるように、映像であることの発見もあります。また、秋好役の杉咲さんのコメント「人に見られたくない部分がどんどん出てきて、隠されていたものがえぐられていくような描写もある、ただの青春映画ではない、リアリティと深みのある作品」にもきっと共感するでしょう。
描かれる出来事を誰の視点から見るか、誰の視点で解釈するかによって、見えていなかった真実が明らかになっていく面白さがある。そういう感情、自分のなかにもあるかもしれない……と、ドキッとするのです。映画のキャッチコピー「この青春には、嘘がある。」の“嘘”とは何なのか、それを知る瞬間、どんな感覚や感情が自分のなかに流れ込んでくるのかを楽しんでください。
| 青春度 |
★★★★☆
|
| 共感度 |
★★★☆☆
|
| サスペンス度 |
★★★☆☆
|
|
監督
狩山俊輔
脚本
杉原憲明
出演
吉沢 亮
杉咲 花
岡山天音
松本穂香
清水尋也
森 七菜
茅島みずき
光石 研
柄本 佑
公開日
2020年8月28日
全国東宝系にてロードショー
(C)2020映画「青くて痛くて脆い」製作委員会
|
RECOMMEND
2013年12月号掲載 ED_LETTER vol.60『jet lag? time slip?』
2009年11月号掲載 ED_LETTER vol.68『情熱』
奇跡の音楽フェスとその舞台裏を描く『リバイバル69 ~伝説のロックフェス~』
CULTURE NEWS
旅は日常の中にある、三宅唱監督最新作『旅と日々』
かわいすぎる韓国のイヤフォンホルダーで、トレンドの有線イヤフォンを持ち歩こう!–韓国HOT NEWS 『COKOREA MANIA』 vol.479
世界の映画と出会える、東京国際映画祭へ行こう!