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今週はファンタジー映画から1本ご紹介します。『ネバーエンディング・ストーリー』（1984年）です。かなり古い映画ですが、この映画のテーマ曲「Never Ending Story」が、昨年Netflixの配信ドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン3の最終話に使われたことによって、再び曲にスポットライトが当たり、そこから映画の存在を知ったという人もいると思います。

王道のファンタジーです。いじめられっ子の主人公バスチアンは、ある日、いじめっ子たちから逃げる途中で古い書店に入り、そこで「ネバーエンディング・ストーリー」という本と出会います。それは、読むと自分自身が本の主人公になれる不思議な本でした。

本のなかで描かれるのは、ファンタジアという国の危機です。“無”による支配から国を救うことを託されたのはアトレーユという少年。彼は、“無”から世界を救うために旅に出ることを決意、幸運の白い竜ファルコンの力を借りながら目的地を目指します。

アトレーユの冒険物語を読みふけるバスチアンは、やがて自分も物語に深く関わっていることを知り……という、現実と本のなかのファンタジーがひとつになっていく、まさに王道のファンタジー映画です。

現代は、どんな世界もVFXなどで映像化できる時代。最先端の映像と比べるとこの映画の世界はアナログ的で時代を感じるかもしれないですが、バスチアンが物語を読んで膨らませていく想像力、その想像力を感じる映画でもある。夢を抱くこと、その夢を想像すること、自分で物語を作っていくこと──想像力の大切さを気づかせてくれます。

私自身、何十年ぶりかに見直して“想像する力”によって紡がれていくこの物語、やっぱり面白かった！　そして、大人になった今もファルコンの背中に乗って空を飛んでみたいと思ってしまいます。一度は見てほしいファンタジー映画です。