HOME > NONOTAK Interview Vol.01
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ふたりぼっちの小さなスペース

学生時代になんとなく描いていた理想と、
社会に出て目の当たりにする現実。

建築家のタカミが感じるギャップを埋めたのは、
アーティストとして活動していくという選択肢だった。

イラストレーターのノエミと
各々の個性を活かしたスタジオを立ち上げ、
2013年に「NONOTAK」がスタートする。

T: ノエミと僕はパリ生まれだけど、お互い親が日本人で日本語学校で出会ったんだ。同い年で誕生日も1日違い。彼女はイラストレーション、僕は建築を勉強していた。学生時代から光と空間について研究していたけど、事務所で働き始めてからルールに沿って設計するだけのチャレンジ性がない世界に限界を感じて。実験を重ねて作品を発表するインスタレーションというスタイルが魅力的だと思って仕事を辞めたんだ。

N: 私のイラストは線をモチーフにしていたから建築とも接点があったの。最初は2Dのアートワークを3D(=空間的な建築物)としてどう表現するかが課題で、2人で実際に形にしながら出来上がった作品をビデオに撮ってインターネットにアップロードするっていう繰り返し。

T: 僕たちのスタジオは一つの机しかない小さな部屋だったけれど、そこで作った作品が世界に届いたらいいなって夢があった。

N: 今年、タイコクラブ*で披露したライブパフォーマンス「SHIRO」もとても大掛かりなプロジェクトのように見えるけど、スタジオではもっとコンパクトなサイズでテストしているの。だから初めてステージにセットした時は自分でも大きさに驚いちゃった(笑)。

*毎年長野県で開催される音楽フェスティバル



"SHIRO" by NONOTAK

T: 「SHIRO」には「LATE SPECURATION」という前作があるんだ。この作品を作る前は展示物しか作っていなかったから、このパフォーマンスが成功するかしないかで僕たちの未来がどうなるのか決まるっていうムードだった。スタジオもないし制作からプロモーション、マネイジメントまで全部2人だけでやってたから、「NONOTAK vs 世界」っていう気分。

N: すごくプレッシャーがあったプロジェクトだったわ。2日に1度しか太陽を浴びない生活で、ずっとスタジオにこもっていた。夜中に作業をしていたから、タイトルには「深夜の作戦」って意味が込められてるの。



"LATE SPECURATION" by NONOTAK









MODEL: TAKAMI, NOEMI(NONOTAK)
PORTLATE PHOTOGRAPH: MIKI TAKAHIRA
TRANSLATE: MIU UKAWA
TEXT/EDIT: SAKI YAMADA
FRONT-END: JUN OKUZAWA